うる星やつら regain one's memory エピソード8 (Page 8)
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不審者あたる 「て、感心してる場合か!アイデアはいいがラムにあんな思いさせてまでやる事じゃない!」と言った。しかし、とは言え今の不審者あたるにはどうする事も出来ない。その時不審者あたるは、ふと思った
不審者あたる 「待てよ?考えてみれば変だぞ?なぜ、仕事が終わってからやる必要がある。綺麗なお姉さんに声をかけるなら、平日のこんな時間より休みの時の方がいいはずだ。それをこんな時間に恐らく毎日・・・」不審者あたるはラムの事が心配になって一旦家に帰る事にした。家に着くと、あたるの部屋の電気は消えていた。不審者あたるは、ラムはUFOに帰ったものだと思ったがラムは、あたるの部屋で眠っていた。不審者あたるは、物音を立てずに慎重に部屋に入るとラムの顔を覗き込んだ。ラムは泣きながら寝たのか頬には涙の後が残っていた。不審者あたるは、押し入れから毛布を出すとそっとラムにその毛布を掛けた。その時ラムが
ラム 「ダーリン・・・」と言った。不審者あたるは、一瞬驚いたがラムの寝言だと分かってホッと胸を撫で下ろした。不審者あたるは、そのまま外に出ようとしたが再びラムの顔を見てこの世界のラムが可哀想で仕方なくなり、つい寝ているラムの耳元で
不審者あたる 《俺がいつも側に居るから心配するな》と囁いた。するとラムは、ニコッと笑い
ラム 「・・うん」と言った。不審者あたるは驚き慌てて窓から木に飛び移り、姿を隠した。するとラムは、目を覚まし
ラム 「う〜ん、ダーリン?帰って来たっちゃ?」と部屋の中を見渡した。しかし、あたるの姿が無い事に気付くと再び寝ようとしたが、自分に掛かっている毛布を見て首をかしげた。やがて、それが自分で掛けた物では無い事に気付くと、部屋を飛び出し廊下に出て
ラム 《ダーリン?帰ったっちゃ?》と小声であたるを呼んだ。不審者あたるは
不審者あたる (マズイ事になった。まさかラムが目を覚ますとは)と思い、自分の軽はずみな行動を後悔したが、すぐに
不審者あたる (何もかも、あの俺がわるいんじゃ!)と思い、責任を未来のあたるになすりつけた。と、そこにタイミング良くあたるが帰ってきて、玄関を開け中に入ると階段を昇り終えた所をラムがあたるを見つけ
ラム 「ダーリン!やっぱりダーリンだったっちゃ」と言うと、あたるに抱きついた。あたるは訳が判らず
あたる 「何だ?」とラムを受け止めると
あたる 「何だが良く分からんが、ただいま」と言った。するとラムはあたるに抱きついたまま
ラム 「お帰りだっちゃ。ウチ寂しかったっちゃ」と言った。あたるは
あたる 「悪いな、俺もここの所色々忙しくてな」と言った。それを聞いてラムは
ラム 「ううん、ダーリンがウチの所に帰って来てくれるだけでウチ嬉しいっちゃ」と言った。あたるが
あたる 「俺、風呂入りたいんだが、いいか?」と言うとラムは、慌ててあたるから離れ
ラム 「あ、ごめんっちゃ。分かったったっちゃ」と、ニッコリと笑った。不審者あたるは、今になってラムの健気さを痛感した、どんな事が有ってもあたるだけを見続けてきたのが良く分かった。そんなラムに起こる最悪の未来とは何なのか気になったが、それよりもラムにそんな未来を歩ませたく無いと言う気持ちの方が強かった。しかし、実際最悪の未来が何なのか解らないと言う事は、何をすればいいのか解らないと言う事でもあった。不審者あたるは
不審者あたる 「ここは、俺の直感に従って行動するしかないな」と言うとラムの様子を伺った。あたるが帰って来た事で、ラムの顔にも輝きが戻っている。今日は、多分問題が起きる事も無さそうなので不審者あたるも明日に備えて眠る事にした。
 翌朝目を覚ました不審者あたるは、早速あたるとラムの観察を始めた。あたるは仕事に行く為にスーツに着替えている所だった。あたるが、ふいにラムに話しかけた
あたる 「ラム」あたるに声をかけられラムは
ラム 「ん?何だっちゃ?ダーリン」とあたるに聞き返すと、あたるは
あたる 「明日は、お前の仕事どうなんだ?」と聞いた。するとラムは
ラム 「どうって?」と更に聞き返すと、あたるは
あたる 「だから、明日は土曜日だが休みかどうかって事だ。そこまで言わにゃぁ判らんのか」と言った。それを聞いた不審者あたるは
不審者あたる (判るわけあるか!!)と思った。あたるの質問に対してラムは
ラム 「あぁ、明日はウチもお休みだっちゃよ」と言うとニコッと笑った。するとあたるは
あたる 「そうか、休みか」と言った。ラムは、あたるの言おうとしてる事が分からず
ラム 「それがどうかしたっちゃ?」と言った。あたるは
あたる 「いやぁ、明日は俺も休みだし、久々にお前と食事にでも行こうかなぁっと思ったんだが」と言った。それを聞いてラムは、目を輝かせて
ラム 「え?本当だっちゃ?」と言った。するとあたるは

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