うる星やつら regain one's memory エピソード12 (Page 5)
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ラウ 「もう少し、もう少しだ」と言った。しかし、後少しの所で敵兵がスイッチのすぐ近くに迫ってきた。ラウは
ラウ 「まだ爆破出来ない・・・仕方ない」と言うと
ラウ 「おい!こっちだ!」と言って姿を現した。敵兵達は一斉にラウの方を見た。するとラウは
ラウ 「気を付けた方がいいぞ!そこには爆弾が仕掛けてある!それ以上近づいたら、このスイッチを押す!」と言って手に持ったスイッチを見せた。それを見て兵士達はその場で止まった。しかし、ドイルは
ドイル 「止まるな!それほど強力な爆弾は仕掛けられてはいない!いいところ手動スイッチを壊せる程度だ。柱は破壊出来ないだろうからな」と言った。それを聞いた兵士達は、再びジリジリとラウに近づいて行った。ラウは
ラウ (これ以上離れると爆薬を除去されてしまうかもしれない)と思い動けずに居た時、突然「全軍撤退せよ!!」と誰かの叫び声がした。その声にラウとドイルはもちろん敵兵も一斉に声の方を見るとそこには、なんとカロンが居た。ドイルはカロンの姿を見ると
ドイル 「カロン様!何故ここに?」と言った。するとカロンは
カロン 「ドイルの事だから、絶対に彼らの逃走を許すまいと強行手段に出るだろうと思ったからな」と言った。それを聞いたドイルは
ドイル 「当然です!全てはカロン様の為では有りませんか!」と言った。しかしカロンは
カロン 「ドイル、お前は私に忠実で実に頼りになる部下だ。しかしそれ故に、ときに暴走する事がある・・・私は言った筈だ、もう彼らに構うなと」と言った。その様子を見ていた宇宙船内部のあたる達は何が起きているのか理解出来なかった。その時面堂が
面堂 「何やら、揉めているようだな」と言うと、メガネも
メガネ 「あぁ、もしかして今チャンスなんじゃないか?」と言った。すると弁天が
弁天 「よし!ゲートは宇宙船が通れる位は開いてるし、この隙に一気に通り抜けるぜ!」と言うと宇宙船の推進レバーを倒すと、宇宙船はゲートに向かって加速を始めた。宇宙船が加速を始めたのを見たラウは
ラウ 「よし、今だ!」と言うと手に持っていたスイッチを押した。すると、スイッチの横にセットした爆薬が
 ボンッ!!
と小さな音をたててスイッチを破壊した。ゲートが停止したのを見てラウは
ラウ 「皆さん聞いて下さい。宇宙船はゲートを出ればオートパイロットで宇宙まで上がります」と言った。それを聞いたランは
ラン 「何で、そげな事いちいち言うねん。はよ戻らんかい」と言った。しかしラウは
ラウ 「ランさん、すみません。僕は嘘をつきました、転送装置は有りません」と言った。するとランは
ラン 「なんやて?さっき転送して来たんちゃうんか?」と言った。それを聞いてラウは
ラウ 「はい、さっきは転送で移動しましたが、簡易転送装置は緊急時の物なので使い捨てなんです。僕の持っていた簡易転送装置は一つだけ、もうそちらに帰る手立ては無いんです。だから、僕に構わず皆さんは行って下さい!」と言い通信を切ろうとした時、あたるが
あたる 「おい!お前ふざけるなよ!さんざん俺達を振り回しておいてそれで済むと思ってるのか!お前は何がなんでも帰って来て、俺達にちゃんと謝れ!」と言った。それを聞いたラムは
ラム 「ダーリン・・・」と言うと
ラム (ダーリンはなんだかんだ言ってもラウの事仲間だと思ってたっちゃね)と思い、改めてあたるの優しさに触れた気がした。一方ラウは、あたるの言葉に心を打たれ目に涙を浮かべていた。ラウは、なんとか言葉を絞り出し
ラウ 「あたるさん・・ありがとうございます・・」と言うと、通信を切った。ラウは気持ちを入れ替えてカロンの方を見た。カロンはドイルと会話を続けていたが、ラウの視線に気づきラウの方を見た。ラウを見つめるカロンの目は、 敵対心はまるで無く 逆に優しさを感じた。ラウは
ラウ ( 理由はわからないが、カロン様は 僕を捕らえるつもりは無いらしい )と思った。敵兵士達は、突然カロンが現れ撤退命令を出した事に戸惑いを隠せなかった。そんな兵士達を見てドイルは
ドイル 「お前達、何をしている!船は今やゲートを通過しようとしている。早く攻撃しろ!」と言った。しかし兵士は
兵士 「しかし、船を破壊したら中のラム様まで」と言い、それに対してドイルが
ドイル 「誰が破壊しろと言った!船体に穴でも開けてしまえば星からは出られん」と言うと、兵士は
兵士 「了解しました」と言って、一斉攻撃の体勢をとった。その時再びカロンが
カロン 「全軍撤退と言ったはずだ!」と叫んだ。するとドイルが
ドイル 「何故です!カロン様。このまま逃しては、あなたの名声も地に落ちます!」と言うと、カロンは
カロン 「名声?そんな物などどうでも良い」と言った。それを聞いたドイルは、珍しく動揺して
ドイル 「カロン様!王ともあろう者が簡単にその様な事を口にしてはなりません!」と言った。するとカロンは

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