うる星やつら regain one's memory エピソード12 (Page 6)
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カロン 「王か・・確かに私は王だ。だが、王である前に一人の男だ!私は、ラムの為に危険を覚悟で我が星まで来て、尚ラムの心の鍵を開ける為にラムの心の中に入り、見事それを成し遂げ、そして今またラムと帰る為に命をかけている諸星あたるが羨ましい・・私にはその様な愛する女性は居らぬ」と言った。それを聞いたドイルは
ドイル 「ならば、カロン様もラム様を愛すれば」と言ったが、カロンは
カロン 「ラムではダメなのだ!」と言った。するとドイルは
ドイル 「何故です?」と言うとカロンは
カロン 「ラムの中には諸星あたるが居る。仮にこのまま私の所に居ても、私を愛する事は決して無いだろう」と言った。しかしドイルは
ドイル 「それでも、カロン様にはラム様と結婚してもらわねば」と言った。カロンは、ドイルを睨み
カロン 「何故だ!」と叫んだ。するとドイルは
ドイル 「人の噂と言う物は怖いものです。もし彼らを逃せば、カロン様を無能扱いして笑う者も出てくるはずです。最初は些細な事でも、時間と人によって大変な問題になる可能性があります」と言った。ドイルの話を聞いてカロンが
カロン 「バタフライエフェクトの事を言っているのか?遥か遠い所の蝶の羽ばたきが、長い時間と距離によって竜巻を引き起こすと言う」と言うと、ドイルは
ドイル 「そうです。カロン様の軽はずみな行動が国を危機に陥れるかもしれないと言う事です」と言った。しかしカロンは
カロン 「なるほど、だが我が国はそれほど脆弱なのか?もし、その程度で崩壊する様な国なら、いっそ壊れてしまった方が良い。その様な弱い国では、遅かれ早かれ崩壊は免れん」と言った。それを聞いたドイルは、唖然としてカロンを見ていたが突然大声で笑い出し
ドイル 「確かにその通りです。やはりカロン様は王たるお方だ、私が間違っていた様です」と言い、宇宙船を見ると今まさにゲートをくぐる所だった。ドイルは兵士達に
ドイル 「全軍撤退だ。今後彼等には一切関わるな!」と言い撤退命令を出した。カロンは、そんなドイルに
カロン 「ドイル、すまない」と言うと、笑いながら
カロン 「やはり、お前は頼りになる。誰よりも国の事を考えているからな」と言った。するとドイルは
ドイル 「もし、今回の事で国が崩壊しても私はカロン様の側は離れませんからね」と言って笑った。それを見てカロンは
カロン 「そう言えば、お前があんな笑い方したのは始めて見たな」と言った。ドイルは、カロンと引き上げながら後ろを振り返ったが、そこにはもうラウの姿は無かった。
 宇宙船はゲートを抜けると、浮上を始め一気に加速して大気圏を抜けた。宇宙船の中では、みんな脱出出来た事を喜んでいた。そんな中、お雪がラムに
お雪 「でもラム、無事に帰れて何よりね」と言った。するとラムは
ラム 「ありがとうだっちゃ、みんなも本当にありがとうだっちゃ」と言い、頭を下げた。それを見たメガネが
メガネ 「ラムさん!やめて下さい!ラムさんのピンチに駆けつけるのは当然の事です」と言うと、続けて面堂も
面堂 「そうですよ、僕はいつだってあなたの為なら命を捨てる覚悟は出来ています」と言った。それを聞いたあたるは
あたる 「よく、そんな臭いセリフ吐けるな。そう言う事を口にする奴ほど危なくなったら真っ先に逃げるんじゃないのか?」と言い、それを耳にした面堂は
面堂 「なにぃ!僕が逃げるだと?貴様、どれだけ僕を愚弄すれば気が済むのだ!そこになおれ!刀の錆びにしてくれる!」と言い刀を抜こうとした時、宇宙船は急停止し面堂は刀を持ったまま激しくコケ、顔面を強打した。メガネがうつ伏せに倒れた面堂を仰向けにすると顔面を強打したせいか、あたるにも勝るとも劣らないアホ面になっていた。ラムが心配そうに覗き込み
ラム 「終太郎大丈夫だっちゃ?」と声をかけると、面堂はサッと立ち上がり
面堂 「ラムさんは、なんて優しいんだ」と言った。顔は元通りに治っていて、それを見たパーマは
パーマ 「相変わらず信じられん回復力だな」と言った。宇宙船が停止した事で弁天が
弁天 「確かラウが言っていたな、オートパイロットで宇宙まで上がるって・・・こう言う事だったのか」と言い、壁を叩いて
弁天 「こんな所で止まっちまって、どうしろってんだ!」と言った。それを見てお雪が
お雪 「弁天、無闇に壁とか叩かない方がいいわよ」と言うと、弁天は
弁天 「うるせー!」と言い、更に
弁天 「ラウのヤロウ、勝手な真似しやがって」と言いながら、通信装置をいじり始め
弁天 「とにかくラムの親父に連絡とらねぇとな」と言った。しかし、しばらく通信装置をいじっていた弁天が
弁天 「なんだこりゃ?ちっとも通信出来ねぇじゃねぇか」と言った。するとランが通信装置の所へ行き、少しいじった後
ラン 「認証が必要みたいやな」と言うと、弁天が
弁天 「認証?誰のだ?」と言い、ランは
ラン 「ラウに決まっとるやないか」と言った。それを聞いて弁天は

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