うる星やつら regain one's memory エピソード12 (Page 7)
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弁天 「なにぃ!じゃあ、ラウが居ねぇと通信も出来ねぇ訳か?」と言った。
 
 その頃ラウは、地下の隠れ家にいた。ラウは転送装置を操作しながら手に持ったリモコンの様な物をみた。それは、転送装置の遠隔リモコンだった。ラウは
ラウ (これを使えば離れた場所からでも転送装置を起動出来る。しかし・・・転送装置の上で使った場合、最初の段階でシールドが張られてしまう。そうなると、シールド越しにリモコンを使う事になる。問題は、ちゃんとした座標の信号を転送装置に送れるかどうかだ、もし座標が狂ったら・・・とんでもない所に転送される事になる。今、宇宙船は宇宙空間だろうから下手すると・・)と思い、冷や汗を垂らし
ラウ 「迷ってても、仕方ない。やるしか無いんだ・・」と言うと、転送装置に乗った。そして、最初のスイッチを押すとシールドが張られた。ラウは覚悟を決め、座標を送るスイッチを押そうとした瞬間、突然シールドが消えた。ラウは何が起きたか分からず、一瞬戸惑ったが転送装置の方を見て驚いた。なんと、そこにはカロンとドイルが居たのだ。転送装置のシールドが消えたのは、ドイルが転送装置のスイッチを切ったからだった。ラウは驚きのあまり、声が出なかった。そして、やっと言葉を絞り出し
ラウ 「カロン様にドイル様、何故ここが?」と言った。するとドイルが
ドイル 「私が、ここの事に気づかないと思ったのか?」と言うとニヤリと笑い、更に
ドイル 「お前、転送装置の上からリモコンで転送しようとしたのか?」と言った。ラウは
ラウ 「僅かな可能性に賭けようと思いました」と言った。するとドイルは声を出して笑い
ドイル 「やはり、お前はどこか抜けてるな。可能性は僅かも無い、可能性は0だ。もし装置を起動していたら、間違いなくお前の存在自体が消えていたぞ」と言った。それを聞いたラウは滝の様な汗を流し始めた。その時カロンが
カロン 「ラウ、お前のとった行動は国に対しての反逆行為だ」と言った。ラウはうつむいて黙って聞いていた。カロンは続けて
カロン 「だが、お前のとった行動は正しい行動でもある」と言うと、それまでうつむいていたラウが顔を上げた。カロンは、更に続けた
カロン 「しかし、いくら正しい行動とは言え反逆行為には違いない。反逆行為に対しては、それなりの処罰がある。私とドイルはそれを告げに来たのだ」と言った。話を聞いてラウは
ラウ 「処罰・・・」と言った。そして、カロンは
カロン 「ラウ、お前をこの星から追放する」と言った。ラウは、カロンの言葉の意味が良く分からず
ラウ 「つ、追放ですか?」と言った。すると、ドイルが
ドイル 「相変わらず鈍いな、カロン様の気持ちが分からんのか?」と言った。それでもラウは分からず
ラウ 「カロン様の気持ち?」と言った。それを聞いてドイルは
ドイル 「つまり、お前にはこの星から出て行ってもらう。だが、お前に宇宙船をくれてやるつもりは無い。しかし、ここには都合がいい事に転送装置があるではないか。これで、お前を転送してやる、お前の宇宙船に」と言った。それを聞いたラウは、カロンとドイルの気持ちを知り目から涙が止めどなく流れ落ちた。それを見てドイルは
ドイル 「まったく、お前と言う奴は」と言うとラウの肩に手を置いた。その様子を見ていたカロンは
カロン 「追放と言っても、この星で暮らす事が無ければ自由に出入りしていいからな」と言った。ラウはカロンの言葉に、もはや言葉にならない言葉で
ラウ 「あびばどうごだいばふ」と言った。するとドイルが
ドイル 「何を言ってるのか、まるで分からん。いいから早く転送装置に乗れ、転送してやる」と言った。ラウは、カロンとドイルに深々と頭を下げると転送装置に乗った。ドイルが転送装置を起動させると、転送装置は一瞬ひかり次の瞬間にはラウの姿は消えていた。それを見てドイルは
ドイル 「行ってしまいましたね」と言った。するとカロンは
カロン 「あいつには、宇宙でもっと成長してもらわないとな」と言って笑った。

 その頃宇宙船内では、弁天がイライラして行ったり来たりしていた。それを見てお雪が
お雪 「弁天、少しは落ち着いてはどう?」と言った。そんなお雪を見て
弁天 「これが落ち着いていられるか!てか、お前落ち着きすぎだろう!」と言った。と、その時突然船内が光り次の瞬間ラウが現れた。それを見て、全員が驚き、駆け寄りながら
弁天 「ラウじゃねぇか!」
ラム 「ラウ!」
お雪 「あら」
ラン 「ラウやないか」
あたる 「お前!」
面堂 「ラウ!」
しのぶ 「え?ラウ?」
メガネ 「なんと!」
パーマ 「おお!」
カクガリ 「ラウ!」
チビ 「あ!ラウだ」
錯乱坊 「ふ・・・」
 グシャ!
パーマ 「ん?何か踏んだか?」
メガネ 「気のせい、気のせい」
全員が、ラウのまわりに集まった。錯乱坊を除いて・・・
すぐに、ランがラウの所に駆け寄ると
 パンッ!
ランは、ラウの頬にビンタをして

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