うる星やつら―アナザーワールド― ラストエピソード (Page 1)
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  うる星やつらーアナザーワールドー
      ラストエピソード

 ランは、あたるに何かの機械を見せた。それを見たあたるは
 「これは?」と聞くと、ランは
 「実は、ラムちゃんと抱き合った時に、こっそり髪の毛に発信器を付けておいたの。ラムちゃんが消えてしまっても、何処に居るか分かる様に」と言って、ニコリと笑った。しかし、あたるは別の所に食いついた。あたるは、半ばパニック状態で
 「え?え?ラムとランちゃんが抱き合った???」と言うとランは、あたるの背中を激しく叩き
 「いやだぁー!ダーリンったら、私とラムちゃんはそんな仲じゃないわよ〜」と言った。あたるはランに背中を叩かれて、壁まで吹っ飛びかろうじて笑顔をつくり
 「そ、そうだよね……ははは」と言って、崩れ落ちた。
 ランはすぐに機械を起動すると、モニターの様な所に何やら座標の様なものが表示された。あたるは、それを見て
 「これは、何なの?」と聞くと、ランは
 「これは、ラムちゃんが今居る場所の座標。この様子だと、異次元に居るのは間違い無さそうね」と言った。それを聞いたあたるは
 「異次元……どうやって助ければ」と言うと、ガックリと肩を落とした。しかしランは
 「ダーリン、そんな落ち込んでる暇なんて無いわよ。まずは、ラムちゃんが異次元の何処に居るか突き止めないと助けられないから」と言って、ごそごそと何かを取り出した。それは、何やら黒魔術で使う様な品々で、あたるは
 「ランちゃん、それは?何か黒魔術でも始めそうな感じだけど……」と言うと、ランは
 「そう、黒魔術でラムちゃん見つけるの」と言うと、ニコリと笑い、更に
 「それで、ダーリンには集めて来て欲しい材料があるのよね」と言った。あたるは
 「一体何を集めてくれば?」と聞くと、ランは
 「え〜と、まずは【神の使いの涙】、次に【呪われた猫の毛】、最後に【ラムちゃんの体の一部】。まぁ、ラムちゃんの髪の毛でも有れば大丈夫よ」と言ったが、あたるは
 「ラムの髪の毛はともかく、他の物って一体何処に?」と言って、頭を抱え更に
 「そもそも、神の使いの涙と呪われた猫の毛って何だ?」と言うと、あたるはハッと思いつき
 「呪われた猫の毛って、まさか……こたつ猫か?」と言い、更に頭を抱えた。何故なら、こたつ猫の毛を取るなんて事は至難の業だからだ。更にあたるは
 「すると、神の使いの涙ってまさか……サクラさんの?」と言い、またまた頭を抱えた。それもそのはず、サクラの涙をてに入れるなんて不可能に近いからだ。そんなあたるを見たランは
 「ダーリン、悩んでる暇なんて無いわよ?」と言い、あたるの背中を押し入り口に連れて行き
 「とにかく、急いでね。私は準備しておくから。それと、くれぐれも忘れないで、時間が経てば経つほどラムちゃんの救出は難しくなるから」と言って容器を3つ渡し、あたるを無理矢理に外に出すとドアを閉めた。
 あたるは仕方なく、まずはサクラの涙を手に入れる事にした。あたるの作戦は
 その@ 大量のワサビを盛った握り寿司により涙を流させる。
 そのA 感動的な映画を見せて感動の末、涙を流させる。
 そのB 事実を話し、頼み込む。
この3つ。取り合えずは、寿司から行こうと思ったがサクラが、あたるの持って行った寿司を何の疑いも無く食べるとは思えない。しかし、寿司屋に連れて行ったのでは破産してしまう。従って、作戦@は脚下された。次に作戦Aだが、そもそもサクラがあたると一緒に映画に行くはずも無いので、ここは婚約者のツバメに頼んで映画に行って貰うのが一番だが、関心のツバメの居所が分からない以上、作戦の実行は不可能なので、作戦Aも脚下。残るは、事実を話して涙を流して貰う訳だが、現時点では方法がそれしか思い浮かばない以上、やるしかなくあたるはサクラの家に向かった。
 あたるは、サクラの家に着くと玄関を開け
 「サクラさ〜ん」と叫ぶと、奥からサクラが出てきて
 「なんじゃこんな時間に」と言うと、あたるを見て
 「わたしは今、忙しいのじゃ。相談事なら、明日学校で聞いてやる」と、言ったがあたるが
 「サクラさん!明日じゃダメなんだ!」と言うと、あたるの真剣な顔をみてサクラは
 「……よかろう。聞いてやるから入るがよい」と言って、あたるを奥の部屋に通した。サクラは部屋の中央に座ると
 「お主らしからぬ顔つきだが、何か有ったか?」と、あたるに聞いた。あたるはラムの事を包み隠さずサクラに話した。話を聞いたサクラは
 「そう言う事ならば、断る理由も有るまい。しかし、そう簡単に涙など出るかのう?」と言った。それを聞いたあたるは
 「ワサビたっぷりの寿司は?」と言ったが、サクラは
 「わたしは、ワサビが好きでのう。時にはワサビだけを食べるくらいじゃ」と言った。それを聞いたあたるは
 (作戦@を実行しなくて良かった)と思い、胸を撫で下ろした。その時

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