うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 最終章 幻 (Page 5)
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 「そう、お前の能力だよ。このブレスレットはさまざまな能力が誰でも使える様に出来る我が組織が開発した商品だ」と言うと弁天達に向けて電撃を放った。弁天はギリギリの所で電撃を避けると
 「こりゃヤバイぜ!他にどんな能力が有るかわからねぇ!迂闊に攻撃できねぇぞ!」と言った。その時、責任者に向かって無数の氷の槍が飛んで来た。もちろんそれは、お雪の攻撃だった。しかし、その氷の槍は責任者の前に有るシールドに吸い込まれる様に消えてしまった。それを見たラムは
 「お雪ちゃん!」と言い、続けて弁天が
 「やっと来たか」と言ってニヤリと笑った。お雪はラムの所に行くとラムの髪を見て言った。
 「あら、ラム。髪染めたの?」するとラムは
 「あぁ、これはこのブレスレットをしてるからだっちゃ」と言って、ブレスレットを見せた。その時弁天が
 「そんな事より今のお雪の攻撃だが、あのシールドの様な物、氷を砕くでも溶かすでもなく、消しやがった」と言った。それを聞いたお雪も
 「ええ、あれはシールドじゃないみたいね」と言い、続けてランが
 「さっきもわしのバズーカの弾が爆発せずに消えたところ見ると、あれは物質を別の空間に移動させとるんかも知れんで」と言った。するとそれを聞いていた責任者は
 「ほう、良く見破ったな。その通り、このシールドの前ではあらゆる攻撃は無効だ」と言った。そんな責任者の話を聞いていたお雪は冷たい笑みを浮かべなから
 「そう。それなら、こんなのはどうかしら?」と言うと、両手を下から上に向かってゆっくりと上げた。すると、責任者の足元から何本もの氷のトゲが責任者に向かって突き立った。しかし責任者に当たる直前に氷のトゲは溶けてしまった。どうやら、責任者の体の周りは高温の層で囲まれているらしかった。責任者はお雪を見つめながら言った。
 「氷の能力か…それも我が組織が戴くとするか」と言って笑った。

 その時、あたるは倒れた追っ手の集団の間を走り抜けていた。しかし、追っ手は更に増えあたるはたちまち囲まれてしまった。その時、さっきまで倒れていた面堂が
 「諸星!ここは僕に任せて先に進め!必ずラムさんを救い出せ!」と言うと敵に向かって突っ込んで行った。あたるは
 「すまん、面堂…」と言うと、更に先に進んだ。しかし、多勢に無勢。敵の数が多すぎて、あたるは再び囲まれてしまった。すると何の前触れもなく突然
 「不吉じゃ」と言ってどこからともなく錯乱坊が現れた。もちろん周囲は大爆発を起こし、追っ手達は吹き飛んだ。あたるも爆発に巻き込まれそうになったが、何とか堪え錯乱坊の襟を掴んで持ち上げると
 「お前、いい加減その出方はやめろ!」と言った。すると錯乱坊の出現の爆発でも、かろうじて意識を失わなかった何人かが起き上がりざまに錯乱坊の顔を見て、ことごとく倒れていった。それを見たあたるは
 (なに?…まさか…)と思い、錯乱坊の後ろ襟を掴んで自分の前に突き出すと倒れて苦しんでいる追っ手の顔の前に錯乱坊の顔を近づけた。すると、その追っ手は錯乱坊を見て顔を恐怖で歪めながら気絶した。それを見たあたるは確信した。
 (やっぱり!こいつらにとってチェリーの顔は気絶するほど恐ろしいものなんだ!)あたるはチェリーを自分の前に突きだした状態で追っ手の大軍に向かって行った。すると、まるでモーゼが海を割った様に追っ手の大軍は左右に避け、真ん中に道ができた。あたるは堂々とその道を、進んで行った。そして廊下を曲がった時、廊下の先にさっき隔離部屋に来た責任者と、それを囲む様に数人が居るのが見えた。あたるはそれを見て我が目を疑った。
 「あ、あれは弁天さまにランちゃん!それにお雪さんまで!」あたるが叫ぶと、あたるに気づいた責任者は
 「お前!何でここに!」と言うと、あたるに向かって電撃を放った。あたるはそれをヒョイとかわすと
 「電撃!お前、ラムの!」と言った。すると責任者は
 「その通り、お前らに勝ち目は無いのだ。大人しく抵抗はやめろ」と言った。その時ラムが
 「ダーリン!気を付けるっちゃ!そいつの前のシールドに触れたら別の空間に飛ばされちゃうっちゃよ!」と叫んだ。それを聞いたあたるは
 (こいつに通用するかどうか分からんが、一か八かに賭けるしか無い!)と思い、責任者の放つ電撃を避けながら突っ込み、責任者まで約3メートル程まで来た時にあたるは右手を大きく振りかぶり
 「これでも喰らえ!!」と叫ぶと手に持っていた錯乱坊を責任者めがけて投げた。すると錯乱坊は顔から飛んで行き、責任者はその顔をモロに見てしまい、大きくよろめいた。そして次の瞬間、責任者の手に装着されていたブレスレットは煙を上げて二つに折れ、シールドも徐々に消え始めた。そして、投げられた錯乱坊は責任者に向かって真っ直ぐ飛んで行き、消えかかったシールドに吸い込まれた。しかし、責任者のダメージは大きく膝をついたまま動く事が出来ず

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