GSサクラお払い大作戦 (Page 1)
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18世紀に始まった産業革命は、工業・経済の驚異的発展を遂げ

文明はあらゆる土地に広がってゆくこととなる

だがそこにはかつて闇の領域だった場所も含まれる

経済の発達と共に、人類は再び古代の魑魅魍魎と対決し始めたのである

現代社会の利益と安全、経済活動を脅かす妖怪・悪霊たち

それらと戦うプロ、現代のエクソシスト・陰陽師

―それがゴーストスイーパー(GS)である―



《GSサクラお払い大作戦!!》



・・・私の名は諸星あたる。

現在わけあって、高校時代の恩師サクラ先生の下で除霊の
アシスタントのバイトをしながら友引大学に通う、一端の大学生である。
何故、除霊のバイトかというと、理由はもちろん、
未知への挑戦とロマンを追い求めるためである・・・・

「(ガチャッ)も〜〜ろ〜〜ぼ〜〜し〜〜・・・・」
浴室のドアに張り付き、今開けんとしたその時、扉は独りでに開き、
いつもの如く剣幕したサクラ先生が仁王立ちしていた。
「あ!サクラ先生〜〜♪にゃははは・・・」
「毎度毎度・・・・風呂場を覗くなっちゅーとろーがー!たわけもんがーーー!!!(ドバキャ!)」

そう。理由は、未知への挑戦とロマンのためである。
サクラ先生の強力な脚力で蹴られ、空高く舞いながら私は今一度、
先ほどのシャワーを浴びるサクラの姿を回想・・・・もとい。決意を確認したのであった・・・

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「ほら、ダーリン。じっとしてるっちゃ!」
「いちち・・・もーちっとそっと消毒できんのかい!?」
「ダーリンがサクラがシャワーを浴びようとする度に
 覗こうとするから悪いっちゃ!はい、これで終わり!(バンッ!)」

思いっきり絆創膏を傷口にたたきつけたのは、ラム。
こいつも俺と同じ、友引大学に通っている。(立場は「留学生」ということになってるらしい)
しかも頼みもせんと、サクラ先生の除霊バイトにまでついて来る、うっとーしい存在である。

「くぅぉ〜〜しみる〜・・・おまーなー!!!」
「なんだっちゃーー!?(ドババッ)」
「えーーい!よさんかおぬしら!少しは成長せいっ!」


私を初めとする、旧2-4組の学年が卒業すると同時に、
サクラ先生は『肩の荷が下りた』と言って、保険医の仕事もほどほどに
今まで以上に巫女としての仕事に従事するようになったのであった。
(我々はそんなにうるさかったのであろうか・・・今でも不明である)


「さて・・・と、そろそろ仕事の時間じゃな。ラムは制服に着替えい。
 諸星は対地縛霊用装備ヘ―8番型装備を車に詰め込んでおくんじゃぞ。今日の相手はちと厄介そうじゃ。」
「りょ〜かい〜」「わかったっちゃ!」


ここで少し説明しておこう。
サクラ先生は一応、『GS(ゴーストスイーパー)』という免許を持つ正規の除霊士である。
サンデーで一時期、この職種を扱ったマンガがあったが(ぉ)
サクラ先生も『GS協会』と呼ばれる組合に登録している、一GSである。
神道系の除霊を得意としているが、他にも呪術・西洋魔術・精霊術・錬金術にも精通している、一級GSらしい。
(噂では試験のとき、そうとう凄かったそうだ・・・)
アシスタントはラムと俺の、我々2名のみ。(もちろん免許なぞ持ってない)
少数精鋭がモットーの、愛と正義感あふれるGSチームである。(←注、自称です)
なお『ラムの制服』とは、悪霊等に存在を感知されにくくする効果を持つ、巫女装束の袴の事である。
サクラ先生ほど経験を積んだGSには必要ないのだが、素人でしかも異星人であるラムが持つ帯電体質より、
非常に強い電磁波を体から発しているため、とりわけ霊に感知されやすいらしい。
そのため、サクラ先生からラムには特別に制服として袴を渡されているのだ。
無論、帯電体質はマイナス面ばかりではない。
低級クラスの霊ならば、電撃によって動きをマヒさせるくらいのことができる。
これは『幽霊とは電磁波・プラズマの一種ではないか』という仮説と関係あるのかもしれないが
ひっとらえて成分分析したことがない以上、詳しいところはよく分からない。
(最近ふと疑問に思ったのだが、ひょっとして俺は「おとり」なのではなかろうか・・・酷な話である。)

ガレージで最近サクラ先生が購入した愛車TVRに護符など除霊に必要な装備一式が入った登山用リュックを
入れていると、用意を終えたサクラ先生とラムがやってきた。
「サクラ先生、用意できましたよ〜♪」
「うむ、ご苦労。よし!では行くぞ!」
オープンカー状態のTVRに俺達3人は乗り込むと、サクラ先生はアクセルをふかし、
独特の荒っぽい運転で(「下手」ではないのだ。「荒い」のである・・・)走り出した。

(ギャギャギャギャ!!!キキーッ!)

「なぁーー!!!ちょっ!サクラ先生ーー!!!俺、まだ乗ってな・・・あ゛ーー!!!」

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