二年目の決戦 (Page 4)
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「おいおいおい、超合金でも割れるのかこいつは!?」
ばっき〜ん!と鐘が割れると警戒心を薄くしていた連中は開いた口がふさがらなかった。それを知らずにあたるの首を掴みあげた。
「本当か!?お金でも買えない物も手にはいるのか!?」
「そ・・・そうだから・・・て、手を・・・」
あたるのそれを聞いた面堂はあたるが苦しがっているのを知ってか、知らずかあたるを持ったまま踊り、喜び狂った。無論、これにはたまらず、
あたるは気を失った。

そしてさらに翌日の午前十時半
「さて、俺たちの城は敷地内のもっとも南側に位置している。地雷原の場所は後ろ側と右、左は崖だ」
あたるは城の大広間に全員を呼びだし、先頭に立っている。首には面堂の手形が、くっきりと残っていた。右隣に面堂、メガネ、コースケ、左隣
にラム、しのぶ、竜之介がそれぞれ並んでいる。
「つまり、敵は正面からしか攻めてこられないと言うことになる」
あたるは友引高校のチームリーダーを努めることになり、その横隣の六人は各部隊のリーダーである。
「だが、裏を返せば俺たちは後ろにも左右にも逃げられない。つまり、防御陣が崩されれば俺たちに勝ち目はない。そこで防衛陣はラム、しのぶ
、竜ちゃんの三人に任せる。無論、俺は城に残る」
面堂の刀があたるめがけて一直線に飛んできた。
「貴様の近くには女性しかいないではないか!おおかた、襲うつもりであろうがそうはさせんぞ!」
「何を言うか!男どもに守られても嬉しくないわ!」
どす、バキ、メリ、バコ!
「へ、変更だ・・・。城の護衛はラムと面堂とコースケに任せる・・・」
あたるは残された力を振り絞った。うつぶせに倒れ、意識を何とか保ち続けていた。気絶でもしたら即負けである。
「ま、良かろう・・・」
と面堂がぼこぼこのあたるを見下ろしながら刀を鞘に納めた。
「良くない!」
とメガネの甲高い雄叫びが聞こえた。メガネはがに股であたるに歩み寄り、胸ぐらをぐいっとつかんだ。あたるの足が少し浮いた。
「なぜ、ラムさんの近・・・」
後ろからコースケが粗大ゴミの山をメガネにたたきつけた。メガネの主張は即却下された。粗大ゴミの中には冷蔵庫やエアコン、灰皿、扇風機、
だっぴゃ星人、チェリー等々・・・。
「メガネ部隊は本来の任務である監視、及び警備を開始せよ。ちゃんとリーダーを連れて行けよ」
メガネは薄れ往く意識の中、腕を引っ張られながら城の外へ出ていった。
「しのぶと竜ちゃんは早速、落城に向かってくれ。くれぐれも無理はしないように。面堂とコースケ、それにラム、お前達はここで指示を出し、
防衛陣が破られたときは頼む」
あたるの回復力はやはり並大抵の者ではなかった。これなら実行委員会に見つかっても大丈夫である。
「何が悲しゅうてお前ごときを守らにゃならんのだ?」
面堂が嫌そうな顔であたるを睨んだ。
「別に僕はいいんだよ〜。願い事をかなえる権利が面堂君だけ無くなるだけだから」
あたるはなめきったかのように甘い声で言った。さすがに権利を無くすわけには行かず、面堂は怒りを押し込め
「仕方あるまい」
と、握り拳を強くした。
(見とれよ、諸星!願い事が叶ったそのときは翌日の太陽が拝めなくしてやる!)
あたるに背を向け、顔を怒りでいっぱいにした。
「敵襲!」
メガネ部隊の一人が駆け込んできた。一挙に緊迫した空気が流れた。時計を見ると既に十一時を回っていた。
「どこの学校だ!?」
「赤口商業です!数およそ百五十!」
上下関係が無いにも関わらず、何故か敬語だった。さらにかた膝をつけ、着物であれば本当の戦国時代のようである。
「百五十だと!?くそ、主力を全部使うつもりか!」

「問題はどうやってうち破るかだが・・・」
あたる、ラム、面堂、コースケは四角形を作るかのように早速作戦会議を開始した。しかしそう、だらだらと話すわけには行かず、行き当たりば
ったりの作戦があたるから提案された。
「ああ、恐らく氷上は城に残って立てこもっているだろう。敵数が百五十人という事はまともに戦えば両軍の損害は大きい。だが、城に居続けた
ら、間違いなく大損害だ。そこで城の柱をある程度壊し、潰れやすいようにし、城を出る」
「城を出るだと!?」
面堂は立ち上がり様に異議ありと言わんばかりの声を出した。あたるはすーっと面堂の顔を見上げると
「不満か?」
と冷静に答えた。
「当たり前だ!」
「だが、このまま戦ってダメージを受けるわけには行かない。他の学校も狙っていることを忘れるな」
「くっ・・・」
面堂は渋々座った。反論がしたかったが、これより良い案が浮かばず、仕方なしと賛成した。
「全部隊に連絡!敵から攻め込まれる前に城を出ろ!時間はない!ラムはある程度の作業を終了させてから空から逃げろ!」
「わかったっちゃ。で、ウチの作業って?」
あたるはずてっと頭を地面にぶつけた。そして右手、左手と手をつくと四つ足でラムの足下まで来るとぐわっと立ち上がり
「柱をぶっ壊せ!潰れん程度にな!」
「わ、わかったっちゃ」

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