Welcome To Another World(Chapter 1&2) (Page 4)
Page: 01 02 03 04 05 06

お雪がそう言うと、あたるは驚いた様子で、
「えっ、お雪さんって、料理できるの?こういっちゃなんだけど、意外だなー」
とお雪に尋ねた。お雪は、
「あら、ご主人様。私も一応、女ですのよ」
と答え、1階に下りていった。
ランとお雪が台所で調理している間テレビでも見ようと、あたる、ラム、弁天の3人は居間に向かった。
あたるが居間のドアを開けると、その瞬間あたるはずっこけた。
「待っていたぞ、諸星」
そこにはこれまた見覚えのある顔が5つ並んでいた。メガネ、パーマ、カクガリ、チビ、そして面堂だった。
「お、お前らなー!!何でこんなところにいるんじゃ!?」
5人を指差しながらあたるが尋ねると、
「フッフッフ、面堂家の情報網をなめるなよ。諸星!キサマの両親とジャリテンが留守であることなどとっくに調査済みだ!!」
と、面堂はあたるを指差して誇らしげに答えた。
「あたるうっ!今夜はラムさんと2人きりであんなことやこんなことをしようと思っていたのだろうがそうはいかん!!
われらラム親衛隊は全力をもってラムさんの身をお守りする!決してラムさんをキサマの毒牙にかけさせはせん!!」
メガネもこのように力強くコメントした。
「アホが。勝手にせい!」
あたるはあきれたような顔で熱くなっている2人に向かって言った。
一同がテーブルの周りに座ろうとすると、玄関から、
「ごめんくださーい」
とまたまた聞き覚えのある声がしたのであたるとラムが行ってみると、そこにはしのぶと竜之介がいた。
「しのぶー、竜ちゃーん!」
あたるは叫びながら2人に飛びついてきたが、2人がさっと体をかわすと、あたるはドアに激突した。
「ぶぎゅっ!」
そんな声を上げたあたるを見て、竜之介は、
「おめえよお、それしか行動パターンねーのかよ?」
と冷ややかに言った。
「しのぶ・・・竜之介まで・・・今日は千客万来だっちゃね」
ラムがそう言うと、しのぶは、
「今日はここでパーティーだって聞いたから。私も今日1人で退屈してたから来ちゃった!」
と話した。竜之介も、
「オレも成行きで来ちまったよ。すまねえな。迷惑だったか?」
と言うと、立ち直ったあたるが、
「迷惑だなんて・・・そんなあ・・・ささ、上がって、上がって」
とでれでれしながら家の中に招き入れた。
そんな様子を見ていたパーマは、
「オレたちを最初に見たときのリアクションとはえらい違いだなー、あたる」
とあたるに向かって言った。
「アホ。お前、オレの性格、知ってるだろ?」
パーマに向かってあたるがこう言うと、パーマはああと言いながらうなづいた。
(ん、もう!これじゃ学校にいるのと変わらないっちゃよ!)
ラムはため息混じりにそう思った。
居間の辺りが騒がしくなったのに気がついて、ランとお雪が台所から出てきた。
「うわぁー、こんなにたくさん!お料理の材料、足りるかしら?」
心配そうにランが言うと、面堂は、
「ご心配なく!ランさん。われわれも食材をこのとおり、ちゃんと持ってきましたから」
と言って、メガネたちと一緒に持参した食材をランに差し出した。しのぶも、
「私も家にあったものだけど、少し持ってきたわよ。2人じゃ大変でしょ?私も手伝うわ!」
と言って食材を差し出すと、ランとお雪とともに大量の食材を持って台所へ行った。
「ぶぅー!」
ラムはそうすることで自分がのけ者にされたことへの不満をあらわにした。
あたるがテレビのスイッチを入れると、居間に残っていたメンツは全員テレビの画面に注目した。
テレビではニュースが放送されていた。アメリカ合衆国空軍がイラク国土ををじゅうたん爆撃している様子が流れていた。
その様子を見て弁天が、
「おい!こいつら地球人だろ?へぇー、地球もとうとう、よその星とドンパチできるほどの科学力が身についたってワケだ」
とみんなに向かって言った。周りのみんなは彼女の発言に一瞬あっけにとられた。
「べ、弁天様?言ってる意味が分からないんだけど・・・」
あたるが弁天にそう言うと、弁天は、
「だから、これ戦争だろ?地球人がやってるんじゃねえのか?」
と返事した。
「弁天様、これは地球のイラクという国の映像ですよ」
面堂がそう言うと、弁天は戸惑った様子で、
「えっ?あっ、そーか!地球は連邦制国家だったっけ。てえことは、地球が攻められてるってことか」
と言った。さっきからどうも会話がかみ合わない。
「弁天。攻めているのは地球にあるアメリカっていう国だっちゃ。攻められているのはこれも地球にあるイラクっていう国だっちゃ」
ラムが弁天に教えると、弁天は、
「なーんだ、てえことは内戦ってことだな。地球でこんな激しい内戦が行われているなんて、知らなかったぜ」
と言った。やっぱり弁天とほかのみんなとの感覚にずれがある。
そうなのだ。弁天たち宇宙人(地球人から見れば)にとって、普通戦争というのは、
星対星の戦争のことを意味する。
星の内部で起こる戦争は、すべて「内戦」というのだ。
1つの星の中に無数の国家があるというのも、弁天たち宇宙人にとっては珍しいのである。

Page 3 Page 5
戻る
Page: 01 02 03 04 05 06