Welcome To Another World(Chapter 3) (Page 3)
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政権奪取を狙いクーデターを起こしたのじゃ。
その男は周辺の星を侵略し、領土拡大することで当時の経済危機を乗り切ろうと企んでおったのじゃ。
そのクーデターは星中に広がり、住人は皆、体制派と反体制派に分かれ、
激しい内戦となってしもうた。ワシは無論体制派について戦った。
数ヶ月にわたって激しい戦いが各地で繰り広げられたのじゃが、結局体制派が勝利し、
クーデターは鎮圧されたのじゃ。
その後裁判が行われ、首謀者のジョージ2世は死刑、残りの反体制派支持者はすべて星外追放となり、
当時まだ未開の状態で、恐ろしい伝染病が蔓延しとったため、
『死の星』と呼ばれとったインフェリオル星に追放されおった。
・・・もっとも、その星の呼称は後からワシらがつけたものなのじゃ。
そやつらが『劣格民族』のレッテルを貼られたのと同時にな・・・」
彼が話し終わると、弁天が口を開き、
「そうか。てえことは今回鬼星を攻めて来た連中は、そのときの反体制派の末裔ってワケだな。
それでそいつらは90年前から今まで受けてきた屈辱の数々の復讐として、
じいさんたちスーペリオル族を大量にぶっ殺したんだな」
と言った。すると父は、
「そうや!奴らはワシらのすべて、つまりスーペリオル族を根絶やしにしようと企んどるんや。
それと、奴らはラムと、なぜか婿どののことをしきりに探しとった。
ラムは分かるけど、何で婿どのなんやろ・・・?」
と言った。するとようやく泣き止んで落ち着いたラムが、
「父ちゃん・・・これからウチらはどうしたらいいっちゃ?」
と尋ねると、
「それを決めるために、ここまで命からがら逃げて来たんや。
ワシらの星は、奴らに完全に占領されてしもうたからなあ・・・」
と答えた。
その後、舞台を面堂家に移し、メガネ、パーマ、カクガリ、チビ、竜之介、
それにサクラ、そしてチェリーも集まって、作戦会議が会議室で行われた。
そこに黒メガネの一人が現れ、面堂に耳打ちすると、
「・・・うむ、そうか・・・わかった。ご苦労であった。下がってよい」
と面堂は言った。そう言われて、その黒メガネは部屋を出た。
「だめでした・・・日本政府は侵略者が宇宙から攻めて来るということを、
まるで信じてくれません・・・」
面堂はラムの父のほうを向いて静かにそう告げた。
「くそっ、攻めてこられてからじゃ遅いというのに・・・
おい、面堂!お前の力でどこかほかの国に口利きはできんのか?」
メガネがもどかしそうに面堂に叫ぶと、面堂は、
「無茶言うな!いくらボクでも、そんなことまではできん!」
と答えた。
「となると結局、攻めて来るのを待って、それからそれぞれの国の首脳の対応に任せるしかないってワケだ。
ところでお父さん、今回の事件の首謀者たちはどんな奴らなんですか?」
あたるがラムの父に尋ねると、彼は話し始めた。
「首謀者の1人はフィリップと名乗っとりました。
何でも、おじいはんのゆうてはったジョージ2世のひ孫やゆうてました。
背格好は婿どのと同じくらいですねん。
こやつはラムと同じで電撃を扱うのですが、その破壊力はほんま凄まじいでっせ」
話は続く。
「ほかには、女が3人いてました。名前はそれぞれ、メリッサ、ステファニー、ジェニファーというてました。
3人ともかわいい面しとりますけど、3人ともごっつ腕っ節が強うて、
ワシらの主力の軍人を次々に撲殺しよりました。
特にメリッサゆう奴は、けったいな妖術を使いおって、油断なりまへん」
この話を聞いて、あたるは、
「え、かわいこちゃん?だったらオレ、その娘たちとデートしたいなー。グフフ・・・」
といやらしい声で言った。すると、
「ダーリンッ!!こんなときに不謹慎だっちゃ!!!」
とラムは激怒してあたるに強烈な電撃を浴びせた。凄まじい悲鳴をあげたあと、
「は・・・ははは、もう立ち直ったか・・・これならどんな敵でも勝てそーじゃな・・・ラム」
とあたるは呟いた。
「おっさん、それだけなのか?」
弁天が尋ねると、またもや父は口を開いた。
「いや、あと2人男がおってん。それぞれティモシーとマシューって名のっとった。
ティモシーは剣の達人や。一振りだけで何百人も惨殺しよったほどや。
あと銃の扱いにも慣れとって、全体的にメカに強そうやった。
マシューは山のような大男で、ものすごい怪力の持ち主や。
しかも体が頑丈で、銃で撃たれてもびくともせん。
しかもテンと一緒で口から炎を吐くんや。テンの母親が消火活動に当たったのも、
こいつの起こした火事やった」
これを聞いて、テンは、
「そうか、ということは・・・ワイのお母はんの敵っちゅうワケや・・・そいつが・・・」
と言った。そうこうしていると、さっきの黒メガネが血相を変えて、
「わ、若あっ!!一大事です!!」
と叫びながら、会議室に入ってきた。
「どうした!!何があったんだ!?」
面堂が叫ぶと、その男は、
「ニュースを・・・ニュースを見てくださいっ!!」
と叫んだので、会議室のモニターにニュースを映した。

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