Welcome To Another World(Chapter 3) (Page 6)
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まるで終戦直後の日本のようだった。
そしてそこには信じられない、もとい信じたくないものが横たわっていた。
「と、父ちゃん!!」
「お父さん!!」
「おっちゃん!!」
「おっさん!!どうしたんだ!!」
それを見て一同は口々に叫んだ。ラムの父が黒こげ、血まみれになって倒れていたのだ。
「ラ・・・ラム・・・婿・・・どの・・・」
一同のほうを振り向いた彼はもはや虫の息であった。
「父ちゃん!しっかりするっちゃ!!父ちゃん!!」
彼のそばに駆け寄り、彼の体を揺すりながら、ラムは叫んだ。
「ラム・・・生きるんや・・・・・・婿どの・・・後は、頼んます・・・」
ラムの手を握り、今にも絶えそうな声で、父はただそう言った。
「い・・・いやだっちゃ!父ちゃん死んじゃいやだっちゃ!!」
「な、何バカなこと言ってるんですか!お父さん!!」
2人の必死の叫びもむなしく、父はそのまま息を引き取った。
「ラムちゃん!ダーリン!いますぐ救急車を・・・」
2人に向かってランがそう言いかけると、
「ランちゃん、もう、救急車はいらないよ・・・」
と、あたるは力なく答えた。そして開いたままの父のまぶたを閉じてやった。
「お、おい、まさか・・・」
弁天があたるの方を向いてそう言うと、彼は首を横に振った。
その直後、ランはレイに寄りかかり、声を出さず泣いた。
面堂も弁天もお雪もうつむいて、何も言わなかった。
「ラムちゃん・・・」
目に涙をためながら、それでも慰めようとテンがラムのほうに向かおうとすると、
「どうして・・・?どうしてこんなことになってしまったっちゃ・・・?
どうして父ちゃんと母ちゃん、ほかのみんなは死ななきゃならなかったちゃ・・・!?
どうして・・・!!」
ラムは体を震わせながら、放電を始めた。そして、
「フィリップーーーーッ!!お前ーーーーっ!!
一体ウチらが何したっていうっちゃーーーー!!!
ウチらに何の恨みがあるっちゃーーーーっ!!!」
ズバババババババァーーーーーーッ
空に向かって大放電をした。
しかし、これで終わりではなかった。これは始まりに過ぎなかったのだ・・・
これからの地獄の日々の・・・
To be continued......
Toshio

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