Welcome To Another World(Chapter 17) (Page 4)
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「ダーリン・・・どうしてこんなことになってしまったっちゃ・・・!?どうして・・・!?」
「知るか・・・オレだって教えてもらいたいよ・・・」
あたるがこう言うと、4人は再び黙り込んでしまった。その直後だった。
「な、何だありゃあ!?」
こう叫んだあたるが指差した先が明るく光り、そこから何か巨大なものが現れた。
「な、何やねん、あれ!」
「あれは・・・竜・・・?」
この場に居合わせたものの中で、ラムだけがその竜に見覚えがあった。ジェームスの森のハインリヒだった。
ハインリヒはゆっくりとラムたちの目の前に降りてきた。
「ハインリヒ・・・」
「ラム、お前この竜知ってるのか?」
あたるに尋ねられると、ラムは頷いた。
「お前たち、絶望しなくてもよい。お前たちの力を持ってすれば、この地球を今すぐにでも元に戻せる」
ハインリヒがこう伝えると、4人は驚いた。
「それはすばらしいことですわね。でもハインリヒ様、一体どうすればよろしいのですか?」
お雪は尋ねた。
「ラムの体の中のレッドクリスタルと、あたるの体の中にあるブルークリスタルを使うのだ」
聞きなれない言葉に、ラムとあたるは困惑した。
「な、何だ?その何とかクリスタルっていうのは?」
あたるは言った。
「平たく言えばダーリンとラムちゃんの力の源よ。ねー、ハインリヒさん」
ランはラムとあたるのほうを向いてこう答えた後、ハインリヒにもこう言った。
「そうだ。その2つのクリスタルを合体させてパープルクリスタルを作る。そして2人で願うのだ。
2人の願いが完全に一致したとき、この地球はまた前のような平穏さを取り戻せるだろう」
ハインリヒはこう説明した。説明を受けたあたるとラムはやや困惑気味だった。
「心をひとつにか・・・難しい注文じゃなー」
「大丈夫だっちゃ。ダーリンがハーレムなんてバカなこと考えない限り・・・
・・・もしそんなこと考えたら、ウチ承知しないっちゃよ!!」
「わ、分かってるよ!」
「話はまとまったようだな。ではクリスタルの合成は私がやろう」
ハインリヒがこう言うと、あたるの胸からブルークリスタルが、ラムの胸からレッドクリスタルが浮かび上がってきた。
「むうううん!」
ハインリヒがうなり声を上げながら念じると、2つの石が1つになろうとし始めた。
それから1分ほど経っただろうか、石は1つの紫色の石になった。
「さあ、この石を2人で手に取れ!そしてゆっくりと目を閉じて、願うのだ・・・」
ハインリヒに言われたとおり、あたるとラムは石を2人でぎゅっと握った。そして目を閉じて願い続けた。
その直後、2人の体中から七色の光が発せられた。そしてその光は、たちまち辺りを覆いつくした。
すると、どうしたことであろうか。壊れた建物は次々と元通りになり、燃え尽きた植物は再び緑を取り戻した。
「うわあー、すっごーい!」
ランはその様子を見て、思わず歓喜の声を上げた。
「2人の願いは・・・失われた時間を元に戻すことだったのね・・・」
お雪も感慨深げに話した。
そして世界の各地では、それ以上の奇跡が起こっていた。
「・・・ど、どういうことだ・・・ボクは・・・生き返ったのか・・・?」
面堂は自分の手のひらを見つめながらそう言った。状況がまだよく分からなかった。
「・・・了子!」
辺りを見回していた面堂の目には、妹の姿が映っていた。
「お兄様・・・お兄様っ!」
了子は兄の姿を見るなり、駆け寄って抱きついた。
「私たち・・・生き返ったんですのね・・・お兄様・・・」
「ああ・・・どうやらそうらしいな」
2人は抱き合いながらお互いが生きていることを確認しあった。
「若・・・!!若ーーーっ!!」
「了子お嬢様ーーーっ!!ばんざーーーい!!」
周囲では、同じく生き返った私設軍隊員たちが万歳をしていた。
「あれ・・・どうなってんだあ・・・?こりゃあ・・・アタイは確か蜂の巣にされたはずじゃあ・・・」
全身を、特に滅多打ちにされた胸のあたりを念入りに触りながら、弁天はどこもおかしいところがないか探した。
「・・・ぷはあ!こ・・・これは面妖な・・・オジ上!これは一体どうしたことでしょう?」
うつぶせの状態から起き上がったサクラは、横にいたチェリーに尋ねた。
「定めじゃ・・・」
合掌しながら、チェリーはそう言った。
「おい、メガネェー。どうなってんだあ、こりゃ。建物がみんな元通りになってんじゃねえか」
「オレに聞かれても分からんよ。それよりここ、まさかあの世ではあるまいな?パーマ・・・」
「ちょ・・・ちょっとお!そんな怖い事言わないでよお!」
メガネとパーマとしのぶは自分が生き返ったことに気がつかなかった。
「い・・・いてえよお!カクガリ!」
「オ、オレもだよチビ!ど、どうやら生き返ったみたいだぜ、みんな!」
頬をお互いにつねり合ったチビとカクガリは3人にそう告げた。それを聞いて3人も、生き返ったことを自覚した。
「おーい!一体何が起こったってんだあーーー?」
そこに竜之介が駆け寄ってきた。
「竜之介君。あなたも生き返ったの?」

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