うる星やつら regain one's memory エピソード3 (Page 4)
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ドイル 「首尾はどうだと聞いている」とドイルは冷静に聞いてきた。ラウは、ドイルの恐ろしさを良く知っていた。以前にラウが1度失敗した時にお仕置きをされた事が有った。その時の記憶が
ラウを萎縮させた。
ラウ 「は、まだ結果は出ておりません・・・」とラウは言った。
ドイル 「そうか、随分と時間がかかっている様だが」と穏やかな口調でドイルが言うと、ラウの顔色は更に悪くなった。
ラウ (ド、ドイル様が怒ってる)ラウは、心臓が張り裂けんばかりに鼓動しているのを感じた。ドイルの口調が穏やかなになればなる程、怒っているらしい。 
ラウ 「も、申し訳ありません、なかなか勘の鋭い者でして」とラウは、やっとの思いで答えた。
ドイル 「お前に渡した薬だが、あれは生成するのが非常に難しい物だ。確か、3本程渡してあったはずだか」とドイルがラウに聞くと
ラウ 「はい、確かに3本受けとりました・・・」とラウは答えた。 
ドイル 「そうか、くれぐれも失敗したりせぬ様に注意する事だ」そう言うとドイルは、少し笑った様に見えた。
ラウ 「はい、心得ております」とラウが答えた所で通信は切れた。
 ラウは青くなった。何故なら先程も本人が言ってた様に、薬はもう無いのである。何故なら、あたるに間違えて打った時に三回打っていたのだ。一回目は、たまたま通りかかったコタツ猫に当たってしまったが、コタツ猫は平気な顔で歩いて行ってしまった。二回目は、これまた、たまたましのぶを追いかけて通りかかった総番に当たったのだか、総番も何事も無かった様に走り去って行った。そして、三回目に周りを注意して打ったのがあたるに当たったのである。
ラウ 「こうなれば、気絶させてでも無理矢理連れて行くしかない」ラウは、もはやヤケクソになった。
 惑星ルイーザでは、またドイルがカロンに付き合わされていた。
カロン 「ドイル、ラウはうまくやってるか?」カロンが、何やら作っているドイルに話しかけた。
ドイル 「先程、様子をうかがったのですが、あれは失敗しましたね」と言うとニヤリと笑った。
カロン 「失敗?それにしては、嬉しそうだが?」とカロンは、ドイルの顔を見て言った。
ドイル 「ご安心下さい。これは想定内です。既に次の手を」と、ドイルは手を止めずに答えた。
カロン 「しかし、お前が喜んでいる理由は違うだろ?」とカロンも笑いながら聞いた。
ドイル 「分かりますか?」とドイルが手を止めカロンの方を見た。
カロン 「またあれか?悶絶地獄攻めと、電気アンマ三段攻めだったか?」カロンがドイルに聞くと
ドイル 「はい、わたくしの楽しみの一つです」と答え、その瞬間の事を考えているのか、目は虚ろだ。
カロン 「分からんな、お前の楽しみ」とそれを見ていたカロンがため息をついた。


 その夜、あたるは相変わらず漫画を読んでいる。週刊ヨンデー・・・どこかで聞いた様な名前だ。他にもあたるは、めぞんだっこく、だっ星やつら、といった漫画も好んで読んでいるようだ。ラムは、テンを寝かせつけていた。
 ふいにあたるがラムに話しかけた
あたる 「して、ラム」急に話しかけられてラムは一瞬驚いたが
ラム 「な、何だっちゃ?」と答えた。
あたる 「解析結果は、出たのか?」とあたるは漫画を読むのをやめ、ラムの目を見た。
ラム 「あ、ウチ今日はUFO行ってないからまだ分からんっちゃ」とラムはあたるから視線を反らし答えた。
あたる 「ほう、お前は俺がどうなってもいいのか?」とあたるがラムに言うと
ラム 「いい訳ないっちゃ!!」とあたるから視線を反らしたまま体を震わせて言った。それを見てあたるは
あたる 「ラム・・・本当は、もう知ってるんじゃないのか?解析結果」とラムに問いかけた。
ラム 「!」ラムは一瞬ビクッと小さく反応し、ゆっくりあたるの方を向いた。その瞳には、涙がいっぱいで今にもこぼれ落ちそうだった。それを見てあたるは
あたる 「やっぱりな」と言い、続けて
あたる 「お前がそこまで俺に隠そうとするんだから、相当悪い結果なんだな」と言って、あたるは
あたる 「ラム、全て聞かせてくれ」とラムに言った。
ラム 「ダーリン・・・」ラムは、全てをあたるに話した。記憶が無くなって行く事、まだワクチンの生成が出来ない事、そして最後にはラムの事も忘れてしまう事も。あたるは黙って聞いていた。
ラム 「大丈夫だっちゃ!絶対にウチがダーリンを救ってみせるっちゃ!」ラムは、そう言うとあたるに抱きついた。
あたる 「ラム・・・」あたるはボソッと一言言うと
あたる 「何をバカな、俺がお前の事忘れる訳なかろうが!」と強がってみせた。少しでも、ラムの気持ちに応えようとあたるなりにとった虚勢だった。
 

 布団の中、あたるは考えていた
あたる (俺は、これから記憶が消えていくのか?)あたるは、急に不安になった。

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