うる星やつら regain one's memory エピソード4 (Page 4)
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あたる 「途中で腹が痛くなったから、帰って来たと言ったんじゃ」あたるは、まるで違う事を言った。それを聞いてラムは、
ラム 「なら、仕方ないっちゃね」と言い、あたるの横にチョコンと座った。その時「ラムちゃ〜ん」と声がしてテンが窓から入って来た。
ラム 「テンちゃん!」ラムは、驚いて立ち上がると
ラム 「留守番はどうしたっちゃ?」とテンに聞いた。するとテンは
テン 「そうや、弁天姉ちゃん達来とるで、それでわいラムちゃん連れて来い言われて、呼びに来たんや」と言った。その時
あたる 「また、お前か」とあたるが顔を出した。そのあたるを見てテンは
テン 「あー!そうや!ラムちゃん、あのなぁあたるのアホわいの事忘れてもうたんや」とラムに言った。それを聞いてラムは、まさかと思い
ラム 「ダーリン本当だっちゃ?」と、慌ててあたるに聞いた。するとあたるは
あたる 「どうやらそうらしい・・」そう言うと
あたる 「もう、誰を忘れてるのかまるで分からん」と言って腕組みをして首をかしげた。ラムは、愕然とした。今まで忘れた面堂や、龍之介は学校以外では会う事も少ないが、テンは違う。毎日顔を合わせ一緒に生活している家族である。そのテンの事を忘れると言う事は、いつかラムの事も忘れてしまうと言う事に繋がるからだ。 
ラム (残された時間は、多分あまりないっちゃ)ラムはそう思うと
ラム 「ダーリン、ウチUFOに行って来るから大人しく待ってるっちゃよ」と言い
ラム 「テンちゃん、行くっちゃよ」とテンに声をかけ飛び出した。
テン 「え?わいもかいな。今日は、えろう忙しい日やなぁ」テンはそう言いながらスクーターのアクセルを開いた。
 あたるは、不思議と以前の様な不安は無かった。それがナノマシーンの影響なのか、あまりの不安から感覚が麻痺してしまったのかは、あたるには分からないが、とにかく今は何も出来ないのだからと思い寝る事にした。
 あたるが横になった時
  ピーンポーン
 玄関のチャイムが鳴った。玄関で、あたるの母がドアを開けるとそこには、面堂と四人組が立っていた。
あたる母 「あら、みんな御揃いで」あたるの母がそう言うと、面堂が
面堂 「諸星くんが今日学校休んだものですから、心配になって僕達がクラスを代表してお見舞に伺いました」とスラスラと言葉を並べた。するとあたるの母は
あたる母 「あら、そう。わざわざ悪いわねぇ」と言うと、二階向かって
あたる母 「あたるー、あたるー、お友達がお見舞に来てくださったわよー」と叫ぶと
あたる母 「ごめんなさいね、勝手に上がってってもらえる?」と言い茶の間に戻って行った。
  ほどなくして、ドアの向こうから「あたる、入るぞ」と言う声と同時にメガネ、面堂、パーマ、カクガリ、チビがドタドタと、部屋に入って来た。
あたる 「何だ、お前らまだ学校終わってないだろう」あたるはそう言うとムクッと起き上がった。
メガネ 「あたる、そんな事はどうだっていいんだよ」メガネはそう言うとあたるの横に行き、あたるの肩に手をまわした。あたるは、
あたる 「お前らがわざわざ見舞いなんて来るはずない。おおかたラムの顔でも見に来たんだろうが」そう言うと、メガネの手を振り払い
あたる 「残念だったなぁ、ラムはUFOじゃ!ここにはおらん!」と言って面堂の側に行くと
あたる 「で、コイツ誰?」と面堂を指差し、メガネに聞いた。すると面堂は
面堂 「諸星!貴様と言うヤツはー!」とあたるに組みかかろうとしたが、メガネがそれを止め
メガネ 「まぁ、待て面堂」と面堂をなだめると
メガネ 「あたる、俺達は今日に限ってはラムさんではなく、お前に会いに来たのだ」メガネはそう言うと、あたるの前に座った。他の四人も同様に座り込み、あたるを見つめた。
あたる 「何が悲しくて男同士見つめ合わにゃぁならんのじゃ」あたるがそう言うとメガネが
メガネ 「あたる、もう隠さんでいい」と言い、さらにパーマが
パーマ 「俺達、聞いちまったんだ。お前とラムちゃんの会話」と言った。あたるはそれを聞いて
あたる 「別に隠してるつもりはないがな」と言った。そして続けて
あたる 「実際、お前らの事忘れたって別段俺は痛くも痒くもないしな。それに、もう忘れてるヤツも居るみたいだし」と、面堂を横目で見た。面堂は、今にも日本刀を抜く勢いだがそれをカクガリとチビが押さえている。落ち着いたのか、面堂が話始めた
面堂 「諸星、お前は忘れてしまうからいいかも知れんが、忘れられた人の事を考えてみろ。忘れられたラムさんはどうなる!」面堂がそう言うと、カクガリが
カクガリ 「なまじ、面堂があたるに忘れられてるだけに妙に説得力あるなぁ」と言った。面堂の言った事にあたるは

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