うる星やつら devil planet (Page 3)
Page: 01 02 03 04 05 06 07

 「なら、いつ報酬は貰えるんだ?」と聞くと、ソルは
 「明後日のお昼位にまた来てもらえまっか?報酬は、その時渡すさかい」と言うと、あたるを部屋から押し出した。そしてソルは、鉄のドアを閉めながら
 「ほな、明後日のお昼に。お待ちしてまっせ…」と言葉を残し、ドアを閉めた。あたるは鉄のドア越しに
 「明後日の昼だな!絶対報酬用意しとけよ!」と大声で叫ぶと、館を後にした。
 あたるは、自宅へ向かいながらふっと思った
 (しまった!どんな実験をしたか聞き忘れた……まぁ、いいか。別段なにも変わった感じもないし)そんな事を考えているうちに、自宅に到着した。日も傾き始め、ちらほらと周囲の家に灯りがともり始めた。あたるは家に入ると、すぐに2階の自分の部屋に向かった。
 部屋の中にはテンが一人でオモチャで遊んでいた。あたるは
 「おいジャリテン、ラムはどうした?」と声をかけると、テンは
 「なんや、それが人に何か聞く時の態度かいな」と言うと、オモチャで遊ぶのをやめ、あたるの方に飛んで来た。あたるは
 「知らんならいい」と言って、机の上に置いてあった雑誌を手に取った。そんなあたるの態度を見てテンが
 「アホ!わいが知らん訳ないやろが!」と言うと、あたるは
 「ほう、知っとるのか……」と意味ありげな言い方をした。それを聞いたテンは
 「な、なんや……何か意味ありげな言い方やなぁ」と言うと
 「まぁええわ、教えちゃる。ラムちゃんは何や呼ばれた言うて里に帰ったで。明日には帰る、言うてたけど」と言った。あたるは
 「ふーん、呼ばれてねぇ」と言うと雑誌を再び机の上に置くと、部屋を出て行こうとした。そんなあたるにテンは
 「お前、ラムちゃんが帰ってこんかったら、どないしよ思っとるんやろ」と言ってニヤニヤと笑った。しかしあたるは
 「アホか、そんな心配なんぞこれっぽっちもしとらんわい」と言うと、部屋を出て下に降りて行った。テンもあたるに続いて部屋を出て、階段を降りるあたるに
 「なぁ、ほんまは心配なんやろう?」とちょっかいを出すが、あたるは無視して茶の間に入った。するとちょうど夕食の準備が出来たらしく、あたるとテンは席についた。それを見たあたるの母は
 「全く、ご飯のタイミングだけはピッタリね」と言うと、あたるとテンを見て
 「あら?ラムちゃんは?」と言った。するとテンが
 「あ、ラムちゃん用事が有るらしくて里に帰ったさかい、食事はいらん思うで」と言うと、あたるの母は
 「あらそう、あたる!あんたラムちゃんに何かしたんじゃないでしょうね?」とあたるに言った。それを聞いたあたるは
 「俺は何もしとらん!そもそも、何かとはなんじゃい!何かとは」と言った。
 あたるは夕食を食べ終わると、そそくさと入浴も済ませて部屋に戻った。部屋に入るなり、あたるはゴロンと仰向けに横になった。そんなあたるの上を、プカプカとまるで水にでも浮かぶ様に仰向けでテンが行ったり来たりしている。やがてテンは
 「なぁ、お前ほんまは淋しいんやろ?ラムちゃんには黙っててやるさかい、正直に言うたらどうや?」と言った。するとあたるは、ムクっと起き上がるとスタスタと窓の所へ行った。そして、おもむろに窓を開けて再び元居た場所に戻り、どこからか取り出したフライパンを振りかぶり
 「さっきから、じゃかぁしぃわー!」と叫ぶと同時に、おもいきりフライパンでテンを窓の外に打ち出した。テンは、あたるの攻撃を予期していなかった為にモロに攻撃を喰らい
 「うわぁぁぁ!覚えとれよー!アホーーー!」と叫びながら夜空に消えた。あたるはすぐさま窓を閉めると、再び横になった。あたるは、自分の気持ちに戸惑っていたのだ。なぜなら、ラムが居ない事にホッとした気持ちを抱いていたからだ。その時あたるはフッと
 (あ、そうか!俺は普段いつもラムが一緒に居るから監視されてるのと同じ状態だった。それがラムが里に帰った事で束の間の自由を得たのだ。この気持ちは、自由を得た事による解放感だったのだ!)と思った。あたるは、自分の気持ちに納得したのかそのまま寝てしまった。
 翌朝、あたるの耳に何か聞こえてきた
 「…………リン……」それは、あたるの聞き覚えのある声だった。すると再び
 「……ーリン……」と声がした。あたるの意識はだんだんハッキリしてきて、ついに
 「ダーリン!遅刻するっちゃよ!」とハッキリとラムの声だと分かった。あたるはムクっと起きると、ラムの方を見た。ラムはあたると目が合うと、ニコリと笑った。しかしあたるは、そんなラムの笑顔を見た瞬間、一瞬にして壁の所まで飛び退いた。そんなあたるを見てラムは
 「ダーリン!どうしたっちゃ?」と言ってあたるに近づこうとすると、あたるは
 「く、来るな!」と言った。ラムは、予期せぬあたるの態度に

Page 2 Page 4
戻る
Page: 01 02 03 04 05 06 07