うる星やつら devil planet (Page 4)
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 「え?ダーリン?本当にどうしたっちゃ?」と言って立ち止まった。あたるは、全身に鳥肌が立ち、血の気が引いて行くのを感じた。ラムは、戸惑いの眼差しをあたるに向けている。あたるは、自分の信じられない感情に焦りを感じ、ラムに
 「ラム……すまん、少しの間俺と距離を置いてくれないか」と言うと部屋を出て階段を降りて行った。ラムは呆然と立ち尽くし、やがてペタンとその場に座り込んだ。ラムは溢れそうになる涙をこらえ
 「一体どう言う事だっちゃ?距離を置くって……それって……」と言うと、我慢していた涙が一滴膝の上に置いた自分の手の上に落ちた。しかしラムは、手で涙を拭うとスッと立ち上がり
 「ううん、きっと何か理由があるっちゃ。ダーリンがいきなりあんな事言うはず無いっちゃ」と言うと、部屋を出て1階の茶の間に向かった。茶の間では、あたるがガツガツと朝食を食べていて、あたるの母におかわりを要求している。あたるの母は、忙しそうに茶碗にご飯を盛りあたるに渡そうとした時、茶の間の入口に立っているラムに気付き
 「あら、ラムちゃん帰ってたのね。ご飯は?」と言った。その時、母の声に反応してあたるの肩がピクンと動いた。それを見たラムは
 「あ、お母様、ウチご飯はいらないっちゃ」と言った。するとあたるの母は
 「あら、ラムちゃん具合でも悪いの?」と言って心配そうな目をした。ラムは
 「ううん、ウチお腹すいてないから……」と言い、あたるの方を見るとあたるは黙々と朝食を食べている。そんなあたるに 「ダーリン……ウチ先に学校行ってるね」と言うと、玄関を出て行った。あたるは、自分の訳の分からない感情の為にラムを傷つけてしまった事に、やりきれない気持ちで自分自身に怒りを覚えた。
 あたるが学校へ着くと、ちょうど登校してきたしのぶとバッタリ鉢合わせした。しのぶは
 「あ、あたるくん。おはよう」と声をかけた。あたるはラムの時同様に背筋に悪寒が走り、とっさに後ずさった。そんなあたるを見てしのぶは
 「あたるくん?どうしたの?」と不思議そうな顔で見ている。あたるは
 「あ、あぁ、お、おはよう……」と言うとまるで逃げる様に校舎に入って行った。しのぶは
 「……なにあれ?私の顔見た途端、逃げる様に走り出すなんて……」と言うと、肩を震わせて
 「なんなのよーーーー!」と叫んだ。
 あたるは、教室に着いた時悟った、ラムやしのぶに感じた悪寒は、女性全てに感じる事を。ラムは真っ青な顔つきで教室に入って来たあたるを見て
 「ダーリン!大丈夫だっちゃ?顔が真っ青だっちゃよ?」と言いながら近づこうとしたが、あたるの顔を見て手前で立ち止まった。そんなラムの声を聞き、メガネがあたるを見て
 「あ、あたる!お前、まさか……」と言いながら近づいた。メガネと一緒に近付いたパーマは、あたるの額に手を当て
 「う〜ん、熱は無いようだが」と言い、それを聞いたメガネは
 「だよな、あたるが病気になるなんて天地が引っくり返ってもありえんからな」と言った。そんなメガネに、チビが
 「でも、あたるの顔色本当に悪いぜ」と言うと、それを聞いていた面堂は
 「おおかた、何か変な物でも拾って食べたのだろう」と言った。するとあたるは  「ふざけるな!チェリーじゃあるまいし」と言った時、あたるの後ろで
 「おい、そんな所で突っ立てたら入れねぇじゃねぇか」と声がした。するとその瞬間、あたるは物凄い速さで横に跳んだ。声の主は竜之介で、竜之介はあたるの行動を見て
 「おいおい、そんな大袈裟に避けなくても」と苦笑いをした。ラムは、そんなあたるの様子を少し離れた所から見ていて
 (ダーリン……ウチだけを避けてる訳じゃないみたいだっちゃ)と思った。あたるの反応に違和感を感じたのはラムだけではなかった面堂とメガネ達4人も、いつものあたるらしからぬ行動に驚愕した。メガネは
 「あ、あたるが……あたるが」と言い、続いて面堂が
 「竜之介さんを避けた……」と言い、顔を見合わせた。ちょうどそこにしのぶが教室に入ってきて
 「どうしたの?みんなしてこんな所で」と言った。すると面堂が
 「実は、諸星にとんでもない異変が」と言い、しのぶに今までの経緯を説明した。その時、メガネは
 (さっきのあたるの反応は、ただ驚いただけではなく、明らかに避けていた。今入って来たしのぶを見る目も、何だか怯えている様に見える)と思った所で、何かに気付いた。メガネはラムの方へ行くと
 「ラムさん、あたるの奴はいつからあんな感じですか?」と聞いた。ラムは
 「ウチ、夕べは里に帰ってて帰って来たのは今朝だから、よく分からないっちゃ。ただ……」と言って言葉を詰まらせた。ラムの話を聞き、メガネは
 (ラムさんの反応から見て、今朝には今の様な状態だったのだろう。ラムさんが全く、あたるに近づかないのが証拠だ)そう思い、さらに

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