うる星やつら devil planet (Page 5)
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 (もし、あたるがラムさんを突き放しているとしたら……これはチャンスかもしれんぞ)と思うと、ニヤリと笑った。そんなメガネの表情を見たあたるは
 (メガネのヤツ……このままだとラムに近づこうとするに違いない。そんな事させるか!)と思うと、ラムに向かって
 「ラム、ちょっと来てくれないか?」と言いラムを呼び寄せた。ラムは、それを聞き
 (ダーリン!やっぱりダーリンはウチの事嫌いになって無かったっちゃ)と思い、満面の笑みであたるに近付いた。ラムが近付くにつれて、あたるは全身に鳥肌が立ち全身の毛が逆立って行くのを感じた。しかし、あたるはそれに耐えた、その訳はラムを誰かに取られるのが我慢出来なかったからだった。そんなあたるをよそに、面堂達は何やら相談している。そして面堂が、あたるの手を掴み
 「諸星!保健室に行くぞ!」と言うと無理矢理にあたるを引っ張った。しかし
 「ちょ、ちょっと待て!」とあたるは面堂の手を振り払った。するとメガネが
 「あたる!お前やっぱりおかしいぞ!普通ならサクラさんの居る保健室なんて仮病を使ってでも行きたがるのに」と言った。あたるは
 「な、何言ってんだ……俺は、普通だ」と言ったが、面堂が再びあたるの手を掴むと強引に引っ張って保健室へ連れて行った。
 保健室の中には、あたるを始め、ラム、面堂、メガネ、しのぶ、パーマ、カクガリ、チビの7人が所狭しと座っていた。そんな状況にサクラは
 「お主ら、こんな人数の付き添いは必要ないじゃろう」と言い呆れた顔をした。すると面堂が
 「僕達は、諸星の事が心配で」と言うと、メガネ達も頷いた。それを見てサクラは
 「まぁいい、で?諸星が病気とは、一体どう言った症状じゃ?」と聞くと面堂が
 「実は、諸星が女性に全く興味を示さないのです。しかも逆に、女性を避けているとしか思えないんです」と言った。面堂の話を聞いていたサクラは
 「なるほどのぅ。それは興味深い」と言うと、あたるの額に手を当てようとした時、あたるは勢いよく椅子から立ち上がると後ずさった。そんなあたるの行動を見てサクラは
 「ふむ。これは、女性恐怖症じゃの」と言った。それを聞いて一同は驚愕の表情を見せ、しのぶが
 「あ、あたるくんが……」と言い、続いてメガネが
 「女性恐怖症???」と言った。更に面堂も
 「そ、そんな馬鹿な!!」と言って一斉にあたるを見た。あたるは、みんなの視線を浴びながら
 (なんだと?俺が女性恐怖症??……でも何で?)と思った。その時ラムが
 「そうだっちゃ、おかしいっちゃ!だってダーリン今朝お母様と普通にご飯食べてたっちゃ、女性恐怖症ならお母様だって女だから普通には出来ないはずだっちゃ!」と言った。それを聞いてサクラは
 「確かに母親も女性じゃ。しかし、女性である前に親なのではないのか?」と言った。するとすかさず面堂が
 「どう言う事ですか?」と疑問を投げかけた。それを聞いたサクラは
 「つまり親の事は、あくまで親であり異性とは見んと言う事じゃ。お前らだって、自分の親の事を異性とは見んじゃろう」と言った。サクラの説明に一同は納得したらしく、口を閉ざした。すると突然パーマが
 「なぁ?あたる、お前何か心当たり無いのか?」と言った。あたるは
 「心当たりなんぞ有る訳……」とそこまで言うと、ハッとして
 (まさか、昨日のバイトの実験?……確かソルは、俺の脳の中の何かを抑制するとか言ってた)と思ったと同時に怒りがこみ上げて来た。そんなあたるを見ていたメガネが
 「おい!何か心当たりが有るんだな!」と言ったが、あたるは
 「いや、女性恐怖症と分かった今、こんな所には居られん。さっきから鳥肌が止まらんのでな」と言うと保健室を出た。すぐさまラムが
 「ダーリン、待つっちゃ」と言って追いかけようとしたが、あたるが
 「ラム!頼むから今は1人にしてくれ」と言って保健室を去った。そんなあたるを見てラムは
 (ダーリン……さっきダーリンは無理してウチの事を呼んだんだっちゃ。辛いのにウチの事を……)と思うと、サクラに
 「女性恐怖症を治す方法は無いっちゃ?」と聞いた。しかしサクラは
 「……残念じゃが、現状ではどうする事もできん」と、言った。その時メガネが
 「おい、あたるのさっきの態度……」と言うと、面堂が
 「うん。あれは絶対に思い当たるふしが有るに違いない」と言うと、静かにあたるの後をつけた。他の面々も面堂に続き保健室を出ると、あたるの後をつけた。
 あたるは学校を出ると、一直線に前日の洋館に向かった。面堂達は、あたるに気付かれないように慎重に後をつけ洋館にたどり着いた。それを見てラムは
 (ダーリン、こんな所で何を?)と思いつつも、あたるを、見守った。あたるが玄関の呼び鈴を押すと、ドアが少し開き中からガスマスクを着けたソルが顔を出した。ソルは
 「あれ?あたるはん、約束は明日のお昼だったはずやけど」と言ったが、あたるは無理矢理にドアを開くと、中に入り

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