友引町を奪還せよ-act6- (Page 4)
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「良く思い出せ。最初聞こえてきた足音は二人だったぞ」
メガネは後ろを警戒していた。それを聞いた終太郎は何も答えずに抜刀の体制に入った。メガネはわずかな気配を察すると床においていた懐中電灯を
その方向に向けると、そこには一人の若者がもう一人の若者を背負った状態で立ちすくんでいた。見ただけで敵と悟った。負ぶさっている方はひどく
きつい表情である。
「なんだ貴様らは!そうか敵だな?なら死ね!」
一方的に喋った後、またしても一瞬の出来事は起こった。

校門前
「じゃ、温泉マークを頼んだぞ」
地面に口をハンカチでふさがれ、縄で首基から足首まで隙間無くぐるぐる巻きにされた温泉がいた。
「取りあえず、メガネ達に連絡するか」
あたるは右と左のポケットを探り、トランシーバーを探した。どのポケットに入れたか解らなくなっていた。しかし何度探してもトランシーバーの手触りはない。
「あれ?何処いきおった?」
「トランシーバーは俺が預かることにしてるだろ・・・」
コースケの手にトランシーバーは存在した。
「にゃははは・・・」
と苦い笑いをしながらトランシーバーを手に取った。チャンネルをメガネ達のトランシーバーに合わせてから、あーあーと簡単なマイクテストをすませた。
「こちら、諸星、白井。温泉マークを救助。我々が戦った現在校舎の一階にいると思われる。内一人は重傷」
トランシーバーからのノイズが消えるとメガネの声が聞こえてきた。
「こちら、メガネ、面堂。重傷の敵らしき人物を背負った二人組を先ほど撃破。二人とも若く、一人は細目、一人は目つき悪し。確認を乞う」
この言葉を聞いたあたるはコースケに目線を写した。コースケもうなずく。
「こちら諸星、白井。その二人に間違いないと思われる。残りは一人のため一度集合したいと思う。例の場所へ集合せよ」
「ラジャー」
会話が終わると
「ほれ、コースケ」
と言って、無謀にもトランシーバーを上投げで渡した。スピードのついたトランシーバーはコースケの手をはじき、地面に落ちた。
「馬鹿野郎!もう少しまともなことができんのか!」
そう怒声を飛ばした後、不機嫌そうにトランシーバーを取った。

友引高校二階
「二年四組の教室って何処だったっけ?」
いきなりあたるがとんでもない発言をした。あれから十五分くらい歩いているが、二年四組の教室は見つからない。
つまりコースケもまた、解っていないのである。
「おかしいな。隅から隅まで探したんだが・・・」
「・・・やられたな」
あたるはそうつぶやいた。コースケはあまりにも唐突な発言に何を聞けばいいか解らなかった。
「次元をいじられた。どこかにたどり着くまでここから出られんようだな」
「何処だよ?」
「俺が知るか!」
二人は廊下を永遠と歩いた。理科室や家庭科室などの特別教室を一つ一つ調べ上げたが、何一つ変化はなかった。
「う〜ん、ここまで何一つ無いと行動に困るもんだ」
二人はどこかの教室の椅子に座り込んでいた。そこの教室の窓ガラスはガムテープが貼ってあり、また壁にはへっこみや大きなひび割れが
点々と見えた。どうやらここの教室の生徒はに二年四組の生徒同様毎日乱闘騒ぎをしているようだ。
「取りあえず、ここにいることを知らせとこうか」
しかしコースケが取り出したトランシーバーは通信不能に陥っていた。さっきコースケが落とした際、壊れたようである。
ますます行動がしにくくなった。そのときがらっと言う音が静かな教室に鳴り響いた。
「よ〜、あたるちゃん!元気にしてたか!!」
と、およそ似合わない声を上げながら入ってきたのはメガネだった。
「なんだ、お前達も迷っていたのか」
後ろから終太郎もひょこりと顔を出した。
「しかし良くここにいるってわかったな?」
コースケが感心しながら聞いた。よ〜、あたるちゃん!!と、ここにいるのが解っていたかのようなメガネの行動にから出た質問だった。
「教室に入るたびに同じ事を繰り返していたよ」
メガネは得意げに喋ろうとした瞬間、終太郎がうち消すように口出しした。喋ろうとしたメガネの口は開いたままふさがらないままである。

「さて、どうした物やら・・・」
四人はあたるを囲むような配置でこれからの行動を考えていた。
「なにをいっている、もう集合したんだから四組に行く必要はなかろう」
考え込む雰囲気をうち破るかのような発言を終太郎がした。
「そうか・・・」
「何を考え込んとんのだ、君達は!!」
終太郎の顔は思わずアップになった。まともな会話が一行に進まない状況下で突然放送がなった。
「諸君。後一人な訳だが、その残りの一人というのは私だ。私はこれでも第三次銀河東部戦争で敵の本拠地をたった四人で攻め込み、
そして勝利した。今までの三人もその中に入っていたわけだ。わけあって母国の星を拒否し、今はこのように犯罪者生活を送っている。
さて、唐突ではあるが、今から時計塔まで来て貰う。そこで最終決戦をしようではないか・・・正々堂々と戦おうじゃないか」

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