Welcome To Another World(Chapter 3) (Page 1)
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Chapter 3 The invaders have come
次の日の朝、あたるは例の夢でまた7時に目が覚めた。
今日から朝飯どうしよう、そんなことを考えながら居間に行ってみると、
庭に弁天がいることに気づいた。
「助かったぜ。どうも、ありがとよー」
遠ざかる1台のエアバイクに手を振りながら彼女はそう言っていた。
どうやら昨日言っていた修理屋らしい。
弁天はあたるがいることに気づくと、
「よう。何だ、早えな、おめえ」
と軽い感じで挨拶した。あたるも、
「まーね。ここんとこずっと見続けている夢のせいさ。もう今日で8日目なんだ」
と弁天に向かって返事した。
「ところで、起きたのは弁天様が最初?ほかのみんなはまだ寝てるの?
レイはオレの部屋で寝てるけど・・・」
あたるがこう尋ねると、弁天は、
「ああ。起きたのはアタイが最初だ。昨日みんな遅かったからしんどいんだろうぜ。
特にお雪とランの奴は、あいつら2人ともすげえ低血圧だからよー、
たぶんあと1時間は何しても起きねえと思うぜ」
と答えた。それを聞いたあたるは、
「そういえばしのぶも寝起きが悪かったっけ。
弱ったなー、3人のうちの誰かに朝飯作ってもらおうと思ったんだけど・・・
あと1時間起きないのでは、それから作ってもらって食ってると、学校に遅れてしまう・・・」
と困り顔でぼやいた。その直後、
「たっ・・・大変やぁぁーーーー!!!」
という大きな声が聞こえ、その声の方向からものすごいスピードでスクーターが飛んできた。
テンが、血相を変えてあたるの家のほうに飛んできたのだ。
「・・・うるさいわねぇー・・・なによぉ、一体・・・」
「こんな朝早く、一体誰なのかしら?」
「何か、テンちゃんの声みたいね」
「テンちゃん?まさかぁ!だってテンちゃんは今日の夜までは帰らないはずだっちゃよ・・・」
天地を揺るがすような大きな声は、夜更かしで疲れていた、ラン、お雪、しのぶ、
そしてラムを起こすには十分過ぎた。
4人が眠そうに目をこすりながら窓から外を見てみると、思わずラムは声を上げた。
「て、テンちゃん!どうして?」
するとテンは、
「たたた大変やーーー!!らららラムちゃん、おおお落ち着いて聞いてやああ!!」
と噛んだりどもったり、慌てた様子でしゃべった。
「アホ!お前が一番慌てとるではないか。深呼吸せい、深呼吸!」
「ジャリテン。一体何があったってんだよ!?とにかく落ち着け!順を追って話せ!」
あたると弁天にたしなめられ、テンはようやく落ち着いた。
「ラムちゃん・・・ええか・・・気をしっかり持つんやで」
「分かってるっちゃ。ウチは大丈夫だから、遠慮なく話すっちゃ」
テンにこのように念を押され、ラムがうなずくと、テンは、
「ワイらの星が・・・異星人に攻められてるんやあああ!!」
と叫んだ。この言葉を聞いた瞬間、
「なっ!!」
「なにっ!!」
「何ですって!?」
「なんだとおっ!!?」
その場にいた一同は、みんなこう言って驚いた。
「どういうことだっちゃ、テンちゃん!」
ラムがテンを問いただすと、
「昨日ワイが星に着いて、お母はんに会うた直後やった。
突然空が暗くなったと思ったら、いきなりUFOが現れおって・・・
辺りが騒がしゅうなって、それから人がぎょうさん集まっとるところに、
いきなり攻撃してきよったんや・・・」
テンの話は続く。
「その攻撃だけでも、人がぎょうさん怪我したり、死んだそうや。
ワイのお母はんは、火事やゆうてどっかの火災現場に行ってしもうた。
このことラムちゃんに伝えよ思うて、通信機使おうしたんやけど、通じんさかい、
せやから大急ぎで戻って来たんや!!」
これだけ聞いたあと、ラムはテンに、
「テンちゃん!ウチの父ちゃんや母ちゃんはどうしたっちゃ!?」
と尋ねた。するとテンは、
「急いどったさかい確認はしとらんけど、たぶん今もそいつらと戦っとる思うで!」
と答えた。弁天が、
「おい!敵の正体は何だ!?何人ぐれえなんだ!?」
と尋ねると、テンは、
「敵の正体は確認できんかった!敵が何人いるかも正確にはわからへん。
けどなぁ、かなり大きなUFOやってん、頭数は結構おるんちゃうか?」
と答えた。
テンの情報が不確かなものばかりであったので、あたるは、
「ジャリテン!もっと正確な情報は分からんのか!?」
とテンに向かって言ったが、
「向こうとは通信できんねん。せやから行ってみんことにはわからへん!!」
とテンは答えた。
その後一同はしばらく黙り込んで考えていた。しばらくするとランが、
「とにかく、ここにいても始まらないわ。今すぐ鬼星へ行くべきよ!
行けばすべてが分かるわ!」
と言った。無理もない。鬼星には彼女の家族もいるのだ。しかしお雪は、
「ラン、冷静になりなさい。今鬼星はとてつもない混乱状態なのよ。
今行ったらどんな目に遭うか分からないのよ」
と、ランのはやる気持ちに釘をさした。
行くべきだ、いや待つべきだ、2つに立場による議論が平行線をたどっていると、
突然大きな影が辺りを覆った。空に大きな船が浮かんでいた。
それはラムの父のマザーシップだった。

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