パラレルうる星小説PART1「高校野球編:第2話叶う夢・叶わぬ夢(前)」 (Page 3)
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 本格的な練習がしたいやつにとってはこっちの方が楽なわけ」
「ふーん・・・」
なかに入ると以外にも中に人はあまりいなかった。
「なんだ、少ねえじゃねえか」
あたるは上着を脱いで、早速バッティングを始めた。入った所は140q出る所だ。
「そんなに早いところで大丈夫なのけ?」
「一応俺は三番なんでね。これぐらい打てないと駄目なんだよ」
あたるは持ってきたマイバッドで軽く素振りをすると、ボール発射のスイッチを入れた。
一球目が飛んでくる。
「おお、はえ〜」
あたるは驚きながらもバッドはフォームを崩さずに振った。良い当たりではあるが、ホームランではない。良くてツーベースヒットだ。
「結構早いな・・・」
「でも、いっつも140qは投げてるっちゃ」
「あのな〜、140q投げれても打てるとは限らないわけ」
二球目も飛んでくる。今度もただの強い当たりである。
「う〜ん、結構ホームランってのは難しいモンだなぁ〜」
全球打ちはしたが、ホームランにはほど遠い者ばかりだ。そしてバッターボックスから外にでた。
「なんだ、お前本当に友高の三番かぁ〜?」
ふざけた声であたるに言ったのはコースケであった。現在、四番争いをレイとしている。
「あれ、コースケ?なにやってんだ、お前?」
「みてわからんのか?」
「わからん。何やってんだ?」
「ふつうバッティングセンターに来たら、練習しかねえだろ?」
「だって、おまえバット持ってきてねえじゃねえか・・・」
コースケは前後上下見渡しても手ぶらだ。ポケットに財布があるぐらいであろう。
「!」
どうやら事態を把握したらしい。
「まあ、いいや。ここにあるやつを使えば・・・」(コースケ)
「いいのか?自分のバッドじゃなかったら使いにくかろう?俺の貸してやろうか?」
あたるはバッドを差し出した。しかしコースケは拒否する。
「お前のは黒川さんから貰った大事なバッドだろ?俺もみたいなのが使ったら黒川さんは成仏出来ない・・・」
「黒川さんは死んでねえよ」
笑いながらも少し怒りを感じるあたるだった。

で、その帰り
まだ日も落ちず、明るいウチにあたる達は引き上げた。本当はもう少し練習するつもりであったが、コースケがよるところがあると
いって、無理矢理2人を引きずり出した。
「どこだよ、行くところって・・・」
住宅街であたるは先をすたすた走るコースケを早歩きで追っている。
「いいから、早く来い」
たどり着いたところは東友引駅だった。あたるとラムは訳のわからぬウチに切符を買わされ、電車に乗り武蔵友引駅にたどり着いた。
「どこじゃ、ここは!?」
高校生にもなって隣町に来たこともないあたるがついに叫んだ。
「ええい、吠えるな」
「だから何処行くんだ!」
「ここだ」
コースケは目の前の病院を指さした。結構大型の病院で大学病院のようだ。
「病院?なんでこんな所に?」(あたる)
「まあいいからついてこい」
コースケは再び早歩きで中に入っていった。
「お、おい、まてよ!」

PART3[ルパの背中]
病院内・226号室
「失礼しまーす・・・」
コースケはドアを軽うノックすると、控えめな声で病室に入った。中にいたのは肌が黒くの金髪少年、つまりルパが怒りにも似た目で
窓からあたる達に目を移した。
「なんのようだ?」
声にも怒りがある。
「見てのとおり、見舞いに来ました・・・」
コースケは駅前の花屋で買った花をルパに見せた。しかしルパは目をそらして再び窓をみた。
「あの・・・」
あたるが口を開いたが、ルパは窓を見たままだ。
「なんで病院に・・・。たしかもう退院したはずじゃ・・・」
「・・・」
ルパはこたえない。変わりにコースケがひそひそ話であたるに話した。
「昨日、坂で車いすが壊れて、滑り落ちたときに腕を骨折したそうだ」
あたるの顔に驚きの表情が浮き始める。
「な、何で教えてくれなかったんですか!?」
しかしルパは沈黙を保ったままだ。ただじっと窓の外を見ている。
「黒川さん!!」
あたるの叫びにルパはあたるの顔に首ごと目線を移した。
「うるさい!お前に教える必要が何処にある!?」
あたるはビクッと後ろに後ずさりした。コースケが後ろでまわりに聞こえるか聞こえない声で言った。
「黒川さん・・・」
ルパはさらに叫び続ける。
「大体、もうすぐ試合が始まるというのになぜここににいる!?練習はどうした!?練習をサボって俺のこの無様な姿を笑いに来たのか!!」
あたるは少しムカッと来た。握り拳を作ったが、殴ることはなかった。
「今日は・・・、休みです・・・」
「どーせお前らが甲子園に行くなんて事はとうてい無理なんだよ!去年、せっかく俺がベスト4に連れて行ってやったのに、なんだあの無様な負け方は!?
 何のために今まで、投球練習につきあわせてやったと思っているんだ!?」
ルパは交通事故に遭う前、夜遅くまで続く練習の後、向かいのあたるの家であたるの投球フォームを確認したり、変化球の投げ方を教えたりしていた。

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