高校野球編:第三話 最初の挑戦・最後の挑戦 (Page 7)
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「んなことはどうでもいい。何か用かときいとるんだ」(コースケ)
「あんたら、俺の名字みて何とも思わんのか?黒川だぜ!」
「だから、何だ!黒川なんてそこら辺にごろごろしとるだろ!」
「ええい!わからんやっちゃな!俺は黒川ルパの従弟!」
「だからなんだ!驚けというんか!それとも後ずさりしてほしいのか!拝めというのか!大体、お前俺らより年下だろろうが!なにタメ口聞いてんだ!
それこそ何とも思わんのか!エ〜!?こういう上下関係もわからんスカが社会に広まるから、少年犯罪なんてもんが増えるんだ!そうやって、日本社会は
荒廃の道を歩み、日本人はこわれ、世界NO,2と言われた社会経済は滅んでいくんだ!ここで、その進行を止めるのは誰だ!?お前のような、
未だ社会常識も知らぬ、ただバッドを振り回すだけの若者にかかっとるんだ!それがわかるか!いや、わかるまい!お前はいわば社会に生きるゴキブリだ!
ハエだ!突然変異性黒色金髪ヤローだ!おれはお前のようなやつは金輪際いっさい許さん!お前に天誅を下してやる!」
どこからでてきたのか、メガネが誰とも知らない彰に文句をほざいた。
「興奮するな、メガネ」
あたるがメガネの肩に手を置いて、メガネを宥めようとした。しかし、こんなことでメガネが大人しくなれば、誰も苦労はしない。
「駄目だ、あたる!俺にはどうしてもこいつが許せん!一発でいい!殴らせろ!」
「・・・こいつにはまだ聞くことがある。用が済んだら、煮ようが焼こうが電子レンジにかけようが唇を奪おうが好きにするが良い」(コースケ)
「おいおい、俺は捕虜か?」(彰)
彰は苦笑いをして、自分を指さしながら言った。
「当然!」(あたる、コースケ、メガネ)
三人は彰の目の前約10pの所まで顔を近づける。鼻頭が陰で暗くなり、ホラー映画並の怖さを演出している。
(兄貴は友高は個性が強いのが多いって言ってたけど、アホが多いだけじゃねか)(彰)
「お前が黒川さんの従弟!?」
あたるが突然大声を上げた。コースケ他メガネ、彰が後ろに転倒した。
「その台詞は17行前に言え!」
「気にするな、作者の時間稼ぎだ」
三人は彰をベンチの真ん中に座らせて、両端にあたる、コースケが座り、彰の目の前にメガネ仁王立ちのフォーメーションで彰が
逃げ出せないようにした。しかし、やはり彰は図太い。この緊張感をまったく感じ取っていないのだ。
「で、その黒川さんの従弟が俺らになんのようだ?」(コースケ)
「兄貴からの伝言伝えに来た」
三人は過敏に反応した。その様子が彰も直ぐに解った。そして風が公園の木の葉をざわめかせ、その後に彰が口を開く。
「なーんてね。実は今度の試合の事前挨拶!ほら四日後にウチと友高決勝戦だからさっ」
三人の表情がクワッとなる。いわゆるアップというやつである。
「なめんでもらおうか?こっちは大会ナンバーワンの実力者がいるんだ!」(メガネ)
あたるとコースケがウンウンとうなずく。
「藤木さとし!」
すぐさまあたるコースケがメガネの頭を殴り飛ばした。
「誰だ、そりゃ!!」(あたる、コースケ)
「俺だ!第一話で名前紹介あっただろうが!?」
「しらんな」(あたる)
「同じく」(コースケ)
2人は昔のアイドルのように髪をサラッとなでながらいった。
「おのれら、いけしゃあしゃあと・・・」
「新聞でも俺たちの実力は知っているはずだ」(あたる)
「それにお前の名前はあんまりきかんが・・・」(コースケ)
腕組みをしながら威厳高く彰に質問した。
「まあ、登板したのは一回戦だけだし、完封だったけど相手は雑魚だったから、そんなに目立たなかったからね〜」
「それでもエースか?」
「でも、打率は五割をこえてるんでね。あんたの球だって打つ自信あるよ」
ぴしゃりとあたるを指さした。
「あっそ。そりゃよかったな」
あたるの反応は以外にも素っ気ない。興味すら持っていない顔だ。
「少しは、反応したらどうだ!おもしれーじゃねえかとか、俺の球はそこら辺のとワケが違うとか!」
「宣戦布告の何処がおもしろいんじゃ?笑うどころじゃなかろ。誰が投げても野球の球は同じモノ使ってるだろうが。
俺が投げたからってかんしゃく球になるわけでもあるまい。バカじゃねえか」
彰はあたるのあまりの素っ気なさにあきれるほかなかった。
(こいつ、これでも甲子園目指してるのか?)
〜続〜
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