時は夢のように・・・。「第二話」 (Page 7)
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 いつものビキニスタイルでふわふわと宙であぐらをかくラム。
 この寒いのにハダカ同然の格好しおってからに・・。見ているこっちが寒くなってくるわい。
あたる「ったく! こんなに寒いのにそんな格好しやがって! 風邪ひいても知らんからな!」
ラム「ダーリン、もしかして、心配してくれてるっちゃ?」
 首を傾げて、俺の顔を覗き込んできた。俺はちょっと焦った。椅子のバランスが崩れて後ろに倒れそうになる。
あたる「ば、馬ぁ鹿! ラムが風邪ひいたりしたら、俺にもうつるだろが! だから・・!」
ラム「はいはい♪ 心配してくれてありがとだっちゃ♪♪」
あたる「おまぁなぁーーっ!!」
 ラムは俺の話などこれっぽっちも聞いちゃいない様子だ。しかもすっごくニッコニコな笑顔をしてる。
 ふぅー・・。ラムの笑い顔見たら力が抜けた。ちーーとばかり力み過ぎたみたいだ。
あたる「もぉいい・・、風呂入ってくる。」
 タンスからバスタオルと下着を引っ張り出して、部屋から一歩廊下に出た。
 俺の部屋の隣には唯の部屋がある。
あたる「(唯ちゃんはもう寝ちゃったのかな・・? 明日は早起きしなきゃって言ってたもんな・・。)」
 少々気にしながら階段を下りて、風呂場に足を向けた。

                             *
風呂場。
 一階はやけに静かだった。父さんも母さんも、寝てしまったらしい。
 風呂場の戸の前に立って、ひとつあくびをした。目を擦りながら戸を開けると、
唯「・・・・・・・・」
あたる「・・・・・・・」
 数秒、時が止まった。
 脱衣所に唯がいたのだ。しかも、下着姿で。
あたる「ぴ・・ピンク・・。」
唯「い・・いやああぁぁーーーーっっ!!!」
 ドッズズズンッッ・・!!!
 近所中に響き渡ったのは、唯の悲鳴と物凄い地響きだった。

ラム「な、なんだっちゃ?!」
 部屋を飛び出して、階段を飛翔して降りて風呂場に向かう。
 風呂場に着くと、既に父と母も様子を見に来ていたが、様子が少しおかしい。
 父は涙をこらえる様に肩を震わせていて、母は腰が抜けた様に床に座り込んでいたのだ。
ラム「ど・・どうしたんだっちゃ?!」
 おそるおそる脱衣所を覗いて見ると、
ラム「あ・・あっはははは・・ははは・・・。」
 もう笑うしかなかった。
 脱衣所は、とんでもなく巨大で100tと書かれたハンマー(*1)で床をぶち抜かれて、もはや脱衣所の面影はなかった。
 唯はバスタオルに包まって隅っこにうずくまっている。あたるはというと、巨大なハンマーの下敷きになっていた。足だけがピクピク動
いている。
あたる「な・・なな・・・なん・・・・・で?」
 なんでこうなるんだ? 俺は心で自問自答したが、結局、答えを見い出せぬまま、だんだん意識が遠のいて、夢の中に落ちていった。
 俺の春休み最後の休日は、気を失って終えるのだった。
                                 (*1:知る人ぞ知る、かの有名なアノ「100tハンマー」である。)


エンディングテーマ:Open Invitation
                                               第二話『動き出す時間』・・・完

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