時は夢のように・・・。「第四話」 (Page 4)
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 そっか、俺の誕生日のこと唯ちゃんに話してなかったか・・。
 一応、パーマの発言に感謝したほうがいいみたいだな。

                               *
 4月13日、火曜日。
 学校が終わってから、俺とラムはスーパーへ買出しに。
 みんながやって来たのは夜になってから。
パーマ「おいっス。」
ミキ「こんばんは、お邪魔します。」
ラム「いらっしゃいだっちゃ!」
 俺の18の誕生日。意外にも大勢の顔ぶれが集まってくれた。
 パーマとミキちゃんのカップル。メガネとカクガリとチビ、面堂、しのぶ、サクラ先生、そして唯ちゃんに沙織ちゃん。んんっ、なんで
チェリーがここにいるんだよ!
あたる「おい、チェリー。なぜお前がここにいる?」
チェリー「読者諸君、実に待たせたのぉ。」
あたる「人の話を聞かんかいっ! それに誰が待っておると言うのだっ! なんでお前がここにいるんだ?!」
 俺はチェリーの胸ぐらを引っ掴んで、思いっきり揺さぶった。
サクラ「私が呼んだ。」
 パッとチェリーを放してしまった。
 くそー、そうだった・・、俺の周囲にゃ美人も多いが、こんな余計なモノも多かったのだ。
チェリー「ご馳走が食えると聞いたんでのぉ。しかし残念じゃ、文字だけではワシの美しい顔が皆に披露できん・・。」
あたる「せんでいいわいそんなことっ!」
チェリー「ワシの出番はここまでか?」
あたる「うるさい引っ込め!」
 チェリーなんか放っといて、とりあえず、女の子たちを持て成さなきゃ。
 振り返ると、目の前に掌が迫ってきた。力いっぱい俺の頭を押しのけたヤツがいやがる。
面堂「どけ諸星。サクラ先生、今夜は一段とお美しい。」
 面堂だったのか、こんなヤツもいやがったな・・。
サクラ「やめんか、おぬしに言われると背筋がゾッとする。」
 次の台詞を言えぬまま、あっさり切り捨てられた面堂。ぱさっと前髪が萎えた、ショックを受けている証拠だ。
 ザマーミロだ。言葉のナイフはある意味、お前の愛刀より切れ味がいいんだぜ。
 うなだれた様子の面堂に、ポンとメガネが面堂の肩を叩いた。
メガネ「気を落とすな面堂、まだお前にはチャンスがある。」
 そう言うと、無言である方向を指差した。
 そこには、しのぶが座っていた。じぃっと面堂を睨みつけている。
面堂「し・・しのぶさんも実に美しいっ!」
 冷や汗モノだ・・・。今、しのぶが爆発したら、パーティーもクソもなくなっちまう。
 ってゆーかこのメンツが暴れたら、近所で死人が出るぞ・・。
沙織「あら、そこの関係はちょっと雲行きが怪しいわね。」
 沙織ちゃんがつぶらな瞳をパチパチと瞬たかせた。
沙織「ビクビクしないの、なんとかなるわよお!」
 バンバンと面堂の背中を叩いて、きゃははははって笑う。
メガネ「そーです! そのテンションですよねぇっ! 今日はあたるの誕生日だし、めでたいかどうかは別として、パーッといきましょう!
    パーッとねっ!」
 メガネがテーブルにドカっと置いたのは、ビールのボトルだった。それにパーマとカクガリとチビは、ウィスキーやら日本酒やらカクテ
ルやら、とにかく全てアルコールだ。それらをずらっとテーブルに並べ立てた。
あたる「何考えてんだよ!? まだ未成年ではないか!」
パーマ「そう言わずに、飲ませてくれよぉ。」
メガネ「いいではないか、俺たちはもうすぐ大人の仲間入りなんだから、ちょっとくらいフライングしてもバチは当たるまい。」
あたる「サクラ先生の目の前で飲めるかよ。」
サクラ「まぁ、よかろう。持ってきてしまった物は、飲まなければ勿体無い。」
 それが教師の言う事か・・。教師が教え子と酒飲んだなんて学校に知れたら大変だろうに。
 でも、サクラさんが酔ったところをしばらく見ていない。ぜひ、もう一度見てみたい気が・・。
 周りを見渡すと、サクラだけではないではないか、むふふふふ・・。ミキちゃんにしのぶ、唯ちゃん、沙織ちゃん。
 ふふふふふ・・。飲ませてくれよう。酔いつぶしてしまえばもうこっちのもんじゃ!
 ふと顔を上げると、みんなが俺をじーっと見ている。冷たい視線だ。
ラム「女の子たちを酔いつぶそうなんて、甘い考えだっちゃよ。」
あたる「うっ!」
 どうやら俺の顔はニタニタだったみたいだ。
しのぶ「あたるクンの考えそうな事だわ。馬鹿みたい・・。」
あたる「しのぶぅ〜、今日はパーティーなんだから、たっくさん飲もうね♪」
 しのぶの手を取って、手の甲にスリスリした。
しのぶ「きゃあぁぁーーっっ!? やめてよ変態ぃっ!!」
 バキィィッッ!!!
 しのぶのビンタが左頬にクリティカルヒット。吹っ飛ばされた俺は、上半身だけすっぽり天井に突き刺さった。

 そんなこんなで、とりあえずパーティーは始まった。
 まず、集まったメンバーは自己紹介をし合った。それぞれつながりはあるけど、一堂に会したのは初めてだ。

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