時は夢のように・・・。「第四話」 (Page 7)
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あたる「ら・・ラム・・。」
座っていたのは、ラムだった。
ラム「ダーリン。来てくれたっちゃね。」
にっこり微笑んでラムが言った。
あたる「なんでラムがここに・・。あのメモは、唯ちゃんじゃなかったのか?」
あの筆跡は絶対ラムのものではなかったはずだ。
ラム「唯だっちゃよ。だから、コレ。」
ラムが差し出したのは、小さな箱包みだ。唯のプレゼントだという。
箱包みには、またメモが貼ってあって、
『ごめんっ。ラムさんに頼んじゃった。
これがプレゼントです受け取ってください。
そうそう、ラムさんがあたるさんに、伝えたいことがあるみたいです。聞いてあげてね。
それと、やさしくしてあげて。
唯』
あたる「・・・・これって・・。」
俺はラムの顔を見た。
ラムも俺の顔を見つめていた。俺の目とラムの大きな瞳が合う。
そして、ゆっくりとラムが口を開いた。
ラム「ダーリン・・・ううん・・諸星クン。」
ドキッとした。ラムに『諸星クン』なんて呼ばれたことなんてなかったからだ。
あたる「な・・なんだよラム。どうかしたのか? 変だぞおまえ・・。」
ラム「諸星クンに、聞いてほしい事があるっちゃ。」
どうしてか、すごく心臓がドキドキしてる。今にも飛び出してしまいそうな勢いだ。
ごくっと唾をのんだ。その音がかすかに聞こえた気がした。
あたる「聞いてほしいことって?」
またラムが俺の顔を見て、ゆっくりと話し出した。
ラム「ウチ・・・、ウチは諸星クンの事が・・・好きだっちゃ・・・。」
あたる「!!!」
俺の中で、ものすごい衝撃が全身を駆け巡った。
ラムには今まで『好きだ』と言われてはいたけど、こんなシチュエーションで、正面きって言われたことは一度も無い。
あたる「・・なんで・・・なんで今頃そんなこと?」
ラム「ウチ、ダーリンに『告白』したことないなぁって思ったっちゃ。だから思いきって告白したんだっちゃ。」
俺とラムはベンチに座った。そしてラムは、なぜ『告白』しようと思ったのか、いきさつを話し出した。
それは日曜日の夜の事だ。
唯の部屋。
唯「ねぇ、ラムさん。ラムさんとあたるさんは、どっちが付き合おうって言ったの?」
ふいにラムは唯に尋ねられた。
ラム「えっ? ウチとダーリン?」
ラムは少し考え込むように、顔をしかめた。
唯「だって、ラムさんはあたるさんと夫婦なんでしょ? あたるさんに告白されたの?」
ラム「ううん。ウチは、ダーリンに一度だって好きだなんて言ってもらったこと・・・無いっちゃ・・。」
ラムは寂しげに言うと、俯いてしまった。
唯「えっ?! じゃあラムさんがあたるさんに告白したんだぁ。やるぅ!」
ラム「告白? ウチ、告白した・・のかな?」
唯「まさか『告白』無しに付き合ってるワケ・・ないもんね。」
ラムは「うぅ〜〜・・。」っと唸って両膝を抱え込んだ。
唯「うそ。マジ? 告白してないの?」
ラム「ううん。ウチはいつもダーリンに『好き』って言ってるっちゃ。でも、いっつもダーリンは笑って誤魔化すっちゃ。」
ラムは、ふぅっと小さな溜め息をついた。
すると唯は椅子から立って、ラムの正面に座りなおす。
唯「じゃあ、二人はまだ、お互いに正式な『告白』はしてないのね・・。」
ラム「正式な告白?」
唯「笑って誤魔化してるのは、ラムさんがあたるさんに言っている『好き』は、あたるさんからすれば、スキンシップになっちゃってるの
かも。ラムさんが考えてるより、軽い気持ちで受け止められてるのかも知れないね。それじゃあ、いつまでたっても変わらないよ。」
唯の言葉に、ラムはぷーっと膨れ上がった。
ラム「でもダーリンは、ずぇーーーったい『好きだ』なんて言わないっちゃ。」
唯「これだから最近の女子高校生は・・。」
やれやれってな具合に首を振った。
唯「相手の気持ちを知りたいなら、まず、自分の気持ちを知ってもらわなきゃ。自分は真剣なんだってトコを相手に分かってもらう。そう
すれば、きっと相手も真剣に答えてくれるはずよ。ただ力任せに聞き出そうとしても、相手を頑固にさせちゃうだけだと思うよ。」
ラム「でも、ダーリンはもう、ウチの気持ちを知ってるはずだっちゃ。」
唯「そうかぁ・・、照れ隠しでもあるのかなぁ、あたるさんてシャイなのね。」
ちょっと間、二人して考え込んでしまった。そして、唯が一つ提案をだした。
唯「じゃあさ、とりあえず『告白』してみない? 答えを聞き出すためとかじゃなくて、ラムさんからあたるさんに想いを伝えるために、正
々堂々とさ。」
ラム「でもダーリンはウチの話しなんて・・。」
唯はラムの目を見ると、二カッと笑って、
唯「まかせなさ〜〜い! うふふふふ・・♪」
ラム「・・・ってワケだっちゃ。」
あたる「そっか・・・、唯ちゃんが・・。」
と、突然ラムが立ち上がって、くるりと向きかえると、
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