うる星やつら regain one's memory エピソード4 (Page 1)
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    §前回までのあらすじ§ 

 記憶が消えて行くと言う事と、ワクチンが無いと言う事を知ったあたる。そして徐々に消えて行く記憶に戸惑うあたるだが、ついにラムの事も

      エピソード4

あたる 「誰だ?この綺麗な姉ちゃんは?」あたるは隣の布団で寝ているラムを見て思った。あたるの頭は混乱していた、女好きのあたるにとって綺麗な女の子が側に居てくはれるのは、この上ない歓びのはずなのに、今のあたるの気持ちは全く違うものだったからだ。あたるの心には切なさしかなかった。
 その時、ラムが目を覚まし自分を見つめるあたるを見て
ラム 「あ、ダーリン。おはようだっちゃ」と笑顔を見せた。その笑顔を見た瞬間あたるの頭に僅かな傷みが走った
あたる 「あ、おはよう・・・ラム・・」あたるの口からは自然とラムの名前が出てきた。あたるは、完全にラムの事を思い出したがラムの事を一瞬でも忘れてしまった事に気付きショックを受けた。
あたる (忘れてた・・・俺がラムの事を・・・)あたるは、切なさの原因が分かった。この忘れてしまった事を心のどこかで感じていたのだ。そんなあたるをラムが覗き込みながら
ラム 「ダーリン?どうかしたっちゃ?」とあたるに聞くと
あたる 「いや、何でもない・・」と言うと制服に着替え、下に降りて行った。
ラム 「ダーリン・・・」ラムは、そう呟くとあたるの後を追った。
 学校に行く時間になった時ラムはあたるに言った。
ラム 「ダーリン、ウチ今日学校休むっちゃ」ラムの言葉にあたるは
あたる 「ん?何か用事でも有るのか?」とラムに聞いた。いつもならラムが学校に来なければ学校で好き勝手出来るから嬉しいはずなのに、今日のあたるはラムが居ない事が不安でしかたなかった。常にラムが側に居なければ、忘れてしまうのではと言う気持ちで一杯だったのだ。そんなあたるの心を悟ってかラムは
ラム 「大丈夫だっちゃ。ウチが必ず何か方法を見つけるっちゃ」と言うとあたるに微笑みかけた。
あたる 「方法見つけるって、一人でか?」あたるはラムに側にいてもらいたい一心で会話を続けた。
ラム 「うん、弁天とお雪ちゃんも呼んだから大丈夫だっちよ」ラムの言葉にあたるは
あたる (弁天?お雪?誰の事だ?また、俺の忘れた人の名前か?)あたるの不安は頂点に達した。
あたる 「ラム!行くな!」あたるは、つい本音を口走ってしまった。その言葉にラムは驚き
ラム 「ダーリン・・始めてウチの事、本気で引き止めてくれたっちゃ」ラムは嬉しさのあまり、涙を浮かべた。あたるは、そのラムの涙を見て
あたる (はっ!そう言えば最近ラムは俺の心配ばかりで悲しみの涙しか流していない。あんな嬉しそうなラムの顔は始めて見た気がする)あたるは、そう思うと改めてラムの自分にたいする気持ちの大きさに気付いた。しかし、あたるは自分の気持ちをラムに知られてしまったと思い急に恥ずかしくなり
あたる 「あ、いや、ほらお前昨日も授業抜け出したろ?温泉のヤツが怒ってさぁ、今日も居なかったら補習だなんて抜かしやがってさ」あたるは、根も葉もない嘘をついた。
ラム 「ふ〜ん、ウチ別に補習になったって構わないっちゃ」ラムはそう言うと、あたるにニッコリと笑い掛けて
ラム 「ダーリン・・ありがとだっちゃ」そう言って飛んで行った。
 あたるは、飛び去ったラムを見送ると学校へは行かずに自宅の玄関を開けた
あたる母 「あら、あたる忘れもの?」あたるの母が声をかけたが、あたるは何も言わずに自分の部屋に閉じ籠った。あたるの母は、そんなあたるを見て
あたる母 「あたるー、あたるー。学校は行かないの?どこか調子わるいの?」と声をかけるが、あたるからの反応はなかった。
あたる母 「おかしな子ねぇ」あたるの母はそう言うとセカセカと掃除を始めた。


 UFOではラムが弁天に連絡を取っていた。
弁天 「おぅ、ラム。久し振りだなぁ」弁天は相変わらずの様だ。すると隣からお雪が顔を出し
お雪 「こんにちは、ラム」と言った。それを見てラムは
ラム 「二人とも、久し振りだっちゃ。それより、ごめんね急に呼び出したりして」と言った。
弁天 「何水臭ぇ事言ってんだよ」弁天がそう言うと、お雪も
お雪 「そうよ、友達が困っているんだもの、助けるに決まってるわ」と言い
お雪 「話は、聞いたわ。旦那さん大変なんですってね」と続けた。更に弁天も
弁天 「それで、あたいらに助けて欲しくて呼んだんだろ」そう言い
弁天 「で、何すりゃぁいいんだ?」とラムに聞いた。ラムは今までの事を一通り説明した。説明を聞いた後、弁天が
弁天 「しかしよう、おかしくねぇか?」とラムに言った
ラム 「何がだっちゃ?」ラムは弁天の言おうとしている事が、よく分からなかった。
弁天 「だってよう、ワクチンが作れねぇなら普通他の手段探すものだろ?」弁天がそう言うと、お雪も

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