うる星やつら regain one's memory エピソード10 (Page 4)
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あたる 「ネェ、住所と電話番号教えてくれない?」と、またしても自分の意思とは関係なく、勝手に言葉が出てきた。あたるは、なんとかその手を離そうとするが体が思うように動かない。するとラムが
ラム 「ダーリン!せっかくいい雰囲気だったのに!」と言うと、バチバチと放電を初めた。あたるは何とか言葉を絞り出した
あたる 「あ、バカやめろ!これは」と言った時、手を握っていた女の子が
女の子 「いつまで手握ってんのよ!」と言って、あたるに平手打ちをした。そして、次の瞬間ラムの電撃があたるを襲った。
  バリバリバリバリバリバリー!
あたる 「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 あたるの悲鳴が街中に響き渡った。ラムはあたるの所に行くと
ラム 「せっかくのクリスマスデートなのに!今度他の女にチョッカイ出したら、こんなもんじゃ済まないっちゃ!」と言った。あたるは
あたる 「な、なんで・・」と言った。するとラムは
ラム 「何でも、何も、自業自得だっちゃ!」と言った。もちろん、あたるの『なんで』は言い訳ではない。あたるは
あたる (こんな所で、女の子に声をかけてラムに電撃くらう事は無かったはずだ。すると、さっきデパートの中で電撃を食らわなかったから今になって?)と思った。あたるは、この後に起こる事を思い出そうとするが、どうしても思い出せない。ラムはまだ怒っている様だった。あたるは立ち上がると、スタスタと歩き出した。それを見てラムは慌てて
ラム 「あ、ダーリンどこ行くっちゃ」と言って、ついて来た。あたるはラムに
あたる 「ラム、俺が少しでも他の女の子にチョッカイ出しそうになったら、構わず電撃をお見舞いしてくれ」と言った。それを聞いてラムは
ラム 「ダーリン、何言ってるっちゃ?そんなのダーリンが浮気心出さなければ済む事だっちゃ」と言ったがあたるは
あたる 「いいから、言われた通りにしろ!!」と声を荒らげた。あたるの気迫にラムは
ラム 「わ、分かったっちゃ」と言った。ラムは
ラム (なんか、今日のダーリンおかしいっちゃ)と思いながらも、あたるの後に続いた。あたるは
あたる (こうなりゃ、一か八かじゃ。ラムの電撃の恐怖で、無意識の行動を拒否しちゃる)と思い、街中を進んで行った。あたるは自分がまた意思に反する行動をとる事に対して集中するあまり、ラムの事に気が回らず二人は無言のまま歩き続けた。その時ラムが
ラム 「ダーリン・・・」と言った。するとあたるは
あたる 「何だ?」と答えるとラムは急に立ち止まり
ラム 「どうしたっちゃ?ダーリン・・何か、今のダーリンはダーリンじゃないみたいだっちゃ・・・」と言った。それを聞いたあたるは、ラムの顔を見た、するとラムはうつむき悲しそうな顔をしている。あたるはその顔に見覚えが有った、それは前回の試練のラムを初めて見た時と同じ顔だった。今のラムも、どこか陰りの有る顔をしている。あたるは今になって気付いた、あのラムの顔をあたるは知らないのではなく、今まで気づかなかったのだ。あたるはポリポリと頭を掻きながら
あたる 「ったく、なんて顔しとるんじゃ」と言った。あたるの言葉を聞いてラムは
ラム 「だって、ダーリンが・・・」言った。するとあたるは
あたる 「お前に、そんな顔は似合わん。お前は、ずっと俺の隣で笑っとればええんじゃ」と言った。それを聞いたラムは
ラム (え?ダーリン、それってプロポーズだっちゃ?)と思い、頬を赤く染め目に涙を浮かべ
ラム 「うん!」と言った。
一方あたるは、ラムを元気付けようと言っただけでプロポーズをしたつもりは無いので、ラムが何故頬を染め目に涙を浮かべているのか分からず
あたる 「お前、どうしたんだ?」と言った。するとラムは
ラム 「だって、ダーリン・・いきなりそんな事言うから・・・ウチ・・」と言った。あたるは訳が分からず首をかしげ
あたる 「おかしなヤツだなぁ」と言った。ラムはあたるに抱きつき人目もはばからず
ラム 「ダーリン、ありがとう」と言うと大きな目一杯に涙を浮かべた。あたるは、今の状況を見た覚えが有った。それは、やはり未来のあたるとラムの姿だった。あたるがラムに『結婚しないか?俺達』と言った時だ。その時、民衆の誰かが言った
民衆A 「あんちゃん!こんな大衆の中でプロポーズたぁ、やるじゃねぇか」
民衆B 「クリスマスにプロポーズなんてステキね」
民衆C 「こんな可愛い彼女なら、結婚したくなるよなぁ」
 あたるとラムを見て、民衆が騒ぎ出した。あたるは、訳が分からず
あたる (なに?俺がプロポーズ?)と思い、自分の言った事を思い出してみた
あたる 『お前にそんな顔は似合わん。お前は、ずっと俺の隣で笑っとればええんじゃ』
 あたるは、ハッとなった
あたる (ま、まさかラムは俺の言葉をプロポーズと勘違いを?)と思い、焦って

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