うる星やつら regain one's memory エピソード10 (Page 5)
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あたる 「ちょっ、ちょっと待て!ラム!」と言ったが、ここで本当の事を言えばラムは少なからずショックを受けて、安らぎを与える事は更に困難になる。かと言って、そのままって訳にも行かない。するとラムが
ラム 「ウチ信じてたっちゃ。ダーリンは絶体に心のどこかでウチの事想ってくれてるって」と言った。あたるは、どんどん自分の言った事で自分の首を絞めてる気がしてならなかった。街の人々は暖かい目で、あたるとラムを見ている。しかし、あたるにはそれが恥ずかしくて仕方なかった。
あたるは、そっとラムを引き離すと
あたる 「ラム、ここじゃ何だから人の居ない所行こう」と言った。あたるは、人の居ない所でちゃんと説明しようと思った。ラムは
ラム 「わかったっちゃ」と言った。ラムは恥ずかしそうに、うつむいている。それを見たあたるは
あたる (ま、まずい!ラムのやつ完全に勘違いしてやがる。こんな時に、実はそんなつもりじゃなかったなんて言えば、絶体に話がこじれて試練どころではなくなる)と思った。民衆は、まだ騒いでいた
民衆 「お幸せに〜」
あたるは
あたる (もう、ええっちゅんじゃ!)と思い、とりあえず公園に向かった。公園には、予想に反してカップルで溢れていた。あたるは
あたる 「ず、随分人が多いなぁ、他の所へいこうか」と言った。するとラムは
ラム 「どうしてだっちゃ?いい雰囲気だっちゃ」と言った。それを聞いてあたるは
あたる (だからじゃ!ますます説明しづらくなるではないか!)と思い
あたる 「ラム、お前に言いたい事が有る。だが、ここでは言えん・・・」と言い、あたるは公園の時計を見た。時刻は、既に4時をまわり辺りも暗くなり始めている。残りの時間は12時間を切っている。あたるの言葉を聞いてラムは
ラム 「分かったっちゃ」と言った。あたるは
あたる (外では、落ち着いて話しも出来ん。一旦帰るか)と思い、自宅に向かって歩き出した。ラムは、あたるの後をついて行ったが、自宅に向かっているのに気づき
ラム 「ダーリン、もしかして帰るっちゃ?」と言った。するとあたるは
あたる 「あぁ、部屋で落ち着いてお前と話がしたい」と言った。ラムはあたるの言葉を聞いて
ラム (なんか、ダーリンの態度が変だっちゃねぇ)と思いながらも
ラム 「分かったっちゃ」と言った。
 あたるとラムは、家に着き部屋でお互いに向き合っていた。あたるは、なかなか話しを切り出せずにいたが
あたる (悩んでても仕方ない!本当の事を言わないと、ラムを騙しているみたいで耐えられん。ちゃんと説明すれば、きっとラムも分かってくれるはずだ)と思った。一方ラムは
ラム (ダーリン、あんな顔して、よほど話し辛い事なんだっちゃね)と思った。唐突にあたるが話し始めた
あたる 「ラム・・・実は・・さっきの事なんだが・・」と言った。ラムは
ラム (さっきの事って、プロポーズの事だっちゃ?)と思い、更に
ラム (考えてみれば、ダーリンがあんな所でいきなりウチにプロポーズなんて変だっちゃ)と思った。あたるがラムの顔を見ると、ラムはうつむいている。あたるは
あたる (ラムのやつ、もしかして俺が言おうとしてる事分かってるのか?)と思った。するとラムが
ラム 「プロポーズの事だっちゃ?」と言った。あたるは驚いて
あたる 「え?」と言った。と言うのも、まさかラムの方から切り出してくるとは思わなかったからだ。ラムは
ラム 「あれがプロポーズじゃない事は、気付いてたっちゃ」と言った。あたるはラムの顔を見た。うつ向いたラムの目から一粒の涙がおちた。あたるは
あたる 「ラム・・」と言った。ラムは、顔を上げるとニッコリと笑い
ラム 「ダーリンが、あんな人前でプロポーズなんてするはず無いっちゃ。またウチの早とちりだっちゃね」と言った。ラムは笑顔だが、目には涙が浮かんでる。そして更にラムは
ラム 「ウチのせいで、ダーリンに恥ずかしい思いさせたっちゃ。ダーリン、ごめんねだっちゃ」と言って、ラムは頭を下げた。それを聞いてあたるは、慌ててラムの肩に手を置き
あたる 「ラム、お前が謝る事は無い!悪いのは俺だ!俺が紛らわしい言い方したから!」と言った。ラムは顔を上げると、あたるに抱きつき
ラム 「ダーリン、やっぱり優しいっちゃ」と言った。そして急にあたるから離れると
ラム 「そうだったっちゃ!ダーリンに渡す物が有るっちゃ」と言って、あたるに包装された小ぶりの箱を渡し
ラム 「クリスマスプレゼントだっちゃ」と言って、満面の笑みを見せた。あたるはプレゼントを受けとると
あたる 「開けていいか?」と言った。するとラムは
ラム 「うん♪」と言って、あたるの反応を見ている。あたるがプレゼントを開けると、中身は財布だった。しかし、あたるが貰った財布とは少しデザインが違っていた。あたるは
あたる 「財布かぁ、ありがとう♪いい加減くたびれてたから良かったよ」と言った。ラムは、満足そうに

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