パラレルうる星小説PART1「高校野球編:第1話最初の夏・最後の夏」 (Page 8)
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「ようやった、黒川、次からは諸星じゃ。いいな?」
ルパは返事もすることなく、ラムの父に倒れ込んできた。それを支えるとラムの父は頭を軽くたたき、ベンチに座らせた。
そして七回の裏・・・
『おおっと、友高の鬼木監督、ここで黒川を引っ込めます。二番手は・・・、一年生の諸星です。今大会初登板です。
どのようなピッチングを見せてくれるのでしょうか』
あたるはマウンドで深く息をした。そしてバッターボックスを見ようとするとカクガリが目の前にいた。
「ば、馬鹿っ、いきなり目の前に出るな」
「お前が気づかんのがわるい。それより大丈夫なのか、黒川さん・・・」
「死にゃあせん。ただ、疲労がたまってんだよ。しかも風邪引いてるしな」
「か、風邪!?」
「ああ、だから今から病院行くんだと」
あたるが見たベンチに黒川の姿がなかった。どうやらすでに病院に行ったらしい。あたるには見えないが、ルパが座っていたと思われる席には
帽子とボールがある。二つとも背番号「1」と「甲子園」と書かれていた。
「よし、行くぞカクガリ」
「ああ、甲子園にな・・・」
「プレイ!!」
あたるの暑い夏が始まった。そして交通事故でルパの夏は終わりを告げた・・・
〜続〜

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