うる星やつら regain one's memory エピソード9 (Page 3)
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ラム 「でも、さっきダーリン『けど』って言ったっちゃよねぇ?」とあたるに聞くと、あたるは
あたる 「あ、あぁ・・・実は、明日どうしても外せない予定が出来てしまって、お前と出掛けられなくなったんだ」と言った。それを聞いたラムはあたるの腕から離れて
ラム 「え?どうしてだっちゃ?ウチと出掛けるより大切な用事だっちゃ?」と言った。あたるは
あたる 「悪いな・・・また今度一緒に出掛けよう」と言った。するとラムは
ラム 「ウチ、ウチ凄く楽しみにしてたのに・・・ダーリンの・・バカ・・」そう言うと泣きながら窓から夜の空に飛んで行ってしまった。不審者あたるは、その様子を見ていて心の中の不安が大きくなるのを感じていた。あたるは、ラムが飛び去った夜空をじっと見つめていたが、その顔はとても寂しそうに見えた。その夜、結局ラムは帰って来なかった。翌朝、あたるが出掛けるのを見て不審者あたるは、あたるの後を尾行した。あたるはティッシュ配りのバイトをしているビルとはまるで違う方向に歩いていき、やがてある建物の前で止まった。不審者あたるがその建物を見ると
不審者あたる 「友引ブライダル?結婚式場?」と言った。あたるは結婚式場に来たのだ。あたるは中入って行ったが、不審者あたるはまさか今の格好では入れないので外の電話ボックスの後ろで待つ事にした。不審者あたるは、あたるが何のために結婚式場に来たのか分からなかった。人の結婚式の事で来るはずもないから、やはりあたる自身の結婚式の事で来ているのだろう。不審者あたるは
不審者あたる 「ラムとの結婚式ならラムを連れてくるはずだが、ラムは知らなそうだし・・となると、いったい誰と結婚するんだ?俺は」と言うと、不安が膨れ上がってきた。不審者あたるは
不審者あたる 「まさか、これがラムの失意の原因?」と言うと、じっとして居られなくなりその場を行ったり来たりし始めた。事情を知らない人が見れば、まさに不審者そのものである。するとその時、建物からあたるが出てきた。なにやらキョロキョロと周りを見てる。何かを探している様だ、するとこちらを見て走って来た。不審者あたるは、張り込みを気づかれたかと思い焦った。しかし、ここで逃げればなお怪しく思われるので、自分が隠れている電話ボックスに背を向けて立つ事にした。するとあたるは、慌ただしく電話ボックスの扉を開けて中に入った。どうやら、電話を探していた様だ。不審者あたるは、ホッと胸を撫で下ろした。不審者あたるは
不審者あたる (電話を探してたのか、焦らせおって。しかし、考えてみれば好都合ではないか!ここなら、電話の内容が聞き取れる。結婚相手も解るかもしれん)と思うと耳に全神経を集中させた。あたるは、小銭を入れると何処かに電話をかけた。少しすると相手が出たようで、話始めた。
あたる 「あ、しのぶか?悪いけど今から友引ブライダルに来てくれないか?」あたるが電話した相手はしのぶだった。それを聞いた不審者あたるは
不審者あたる (しのぶ?)と思い、更に耳を澄ませた。流石に相手の声は聞き取れず、しのぶが何を言ってるのかは分からなかった。すると、再びあたるが
あたる 「悪いな、俺じゃドレス決められなくてさぁ」と言った。不審者あたるは、それを聞いて
不審者あたる (な、ドレスって・・まさか俺はしのぶと結婚するのか?)と思った。その時あたるが
あたる 「あぁ、デザインとか俺よりお前が見た方がいいんじゃないかと思ってさぁ」と言った。不審者あたるは
不審者あたる (本当にしのぶと結婚するのか?だったら、だったら何でラムと一緒に居るんだ、ラムの気持ちは分かってる筈だろう!!)と思い、怒りがこみ上げてきたがグッと堪えて聞き耳を立てた。するとあたるは
あたる 「あぁ、じゃあ友引ブライダルの所の電話ボックスで待ってるから」と言って電話を切った。不審者あたるは、ふと思った
不審者あたる (はっ!まさか、この試練の目的は結婚式をぶち壊す事か?)そんな事を考えているうちに、しのぶが現れた。あたるは
あたる 「あ、しのぶー!こっちこっち」と言って手を振った。しのぶは、あたるに気付き小走りで近づいてきて
しのぶ 「もぉ、私だって暇じゃないのに」と言った。するとあたるは
あたる 「悪い悪い、しのぶくらいしか頼めるやつ居なくてさ」と言った。それを聞いてしのぶは
しのぶ 「いくらサプライズだからって、何でわたしがラムのドレス決めなきゃならないのよ〜」と言った。それを聞いた不審者あたるは
不審者あたる (え?ラムのドレス?)と思った。するとあたるが
あたる 「そんな事言うなよ、な。俺とお前の仲じゃないかぁ」と言って、しのぶの肩に手を回した。しのぶはすかさずあたるの手をつねり上げた。あたるは
あたる 「いたたたっ」と言うとニヤニヤしながら手を引っ込めた。不審者あたるは
不審者あたる (結婚式は俺とラムの結婚式だったのか)と思った。その時しのぶが

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