うる星やつら regain one's memory エピソード9 (Page 5)
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ラム 「その超能力で、ダーリンの何が分かったっちゃ?」と悪戯っぽく言った。不審者あたるは
不審者あたる (ラムがあの顔をする時は、相手を試す時だ)と思い
不審者あたる 「あれ?もしかして信じてない?」と言った。するとラムは
ラム 「うん、全然」と言うと、満面の笑みを見せた。不審者あたるは、その笑顔を見てこの後のラムの運命を呪った。不審者あたるは
不審者あたる (何故ラムが・・こんな笑顔を作れるラムが・・いつも俺だけを
一途に思ってくれてるラムが・・)そう思うと知らず知らずに涙を流していた。それを見たラムは
ラム 「お前、泣いてるっちゃ?」と言うと、不審者あたるの顔を覗き込んだ。不審者あたるは、自分が涙を流している事に気付き、慌てて後ろを向くと涙を拭った。そして再びラムの方を向き
不審者あたる (何か言い訳をしなくては)と思い
不審者あたる 「いや、実は花粉症なんです」と言った。それを聞くとラムは
ラム 「花粉症?」と聞くと不審者あたるは
不審者あたる 「はい」と言った。ラムは
ラム 「花粉症ねぇ・・・じゃあ、ウチが聞くっちゃ。ダーリンは何で終太郎の会社に入ったっちゃ?」と言った。不審者あたるは
不審者あたる (俺が聞きたいわい!)と思いながらも
不審者あたる 「そんなどうでもいい事は、分かりません。ただ言える事は、諸星あたるはあなたを裏切ってないと言う事です」と言った。それを聞いたラムは
ラム (何でだっちゃ?こいつの言う事は、妙に説得力あるっちゃ。でも、ウチはダーリンとしのぶが結婚式場に入るのを見たっちゃ)と思い思わず口走った
ラム 「じゃあ何でしのぶと結婚式場に行くっちゃ!」ラムの瞳は、悲しみに満ちていた。不審者あたるは
不審者あたる (よし、そうだラム!不満は全部おれにぶつけろ!)と思い
不審者あたる 「その理由を私の口から言う事は出来ません。でも、諸星あたるはあなたを裏切っていない!それは信じて下さい」と言った。するとラムは
ラム (こいつは何を言ってるっちゃ?しのぶと結婚式場に入ったって事は、しのぶと結婚するつもりだっちゃ。でも、こいつの話を聞くと不思議と不安が無くなるっちゃ)と思い
ラム 「ダーリンがしのぶと結婚式場に入ったのは何か理由が有るって言うっちゃ?」と言った。不審者あたるは
不審者あたる 「そうです、だからこのまま去るのは賛成出来ません。諸星あたると話をするべきです」と言った。それを聞いてラムは
ラム (何で、こいつはこんなにウチとダーリンの事を?)そう思って、はっと何かに気づいた様に
ラム 「分かったちゃ、確かにちゃんとダーリンに聞く事は大切な事だっちゃ。ウチ、ダーリンの口から今ウチが思ってる事を聞くのが怖かったっちゃ。でも、お前の言う通りだっちゃ。どうするか決めるのは、ダーリンとちゃんと話してからでも遅くないっちゃ」と言うと不審者あたるに近づき、不審者あたるをそっと抱き締めた。不審者あたるも思わずラムを抱き締めそうになったが、なんとか思いとどまり
不審者あたる 「あ、見知らぬ者にそんな事しては」と言った。するとラムは、不審者あたるの耳元で
ラム 「見知らぬ者じゃないっちゃ。ウチには分かるっちゃ、もう一人のダーリンだって・・・ありがとだっちゃ」と言った。それを聞いた不審者あたるは
不審者あたる 「え?何で」と言った。ラムは
ラム 「好きな人の事は自然とわかるものだっちゃ。最初に話した時から感じてたのが何だったのか、やっとさっき分かったっちゃ」と言った。不審者あたるは訳が分からず
不審者あたる 「感じてたもの?」と聞いた。するとラムは
ラム 「それは、安心感だっちゃ。何だか、とても安心できたっちゃ。それで分かったっちゃ、どんな理由か分からないけど、この人はダーリンなんだって」と言うと、またあの満面の笑み浮かべた。それは、不審者あたるも知っている天真爛漫なラムの笑顔だった。不審者あたるは嬉しかった、ラムが自分があたるだと気づいてくれた事に。しかし、これは喜んでばかりはいられない。不審者あたるの正体がバレたら失格となり、試練は失敗に終るのだ。そこで、不審者あたるは
不審者あたる 「な、何を言ってるんですか、私はただの通りすがりの者です」と言った。それを聞いたラムは
ラム 「きっと、正体明かせない理由があるっちゃね。なら、不審者さん本当にありがとうだっちゃ。おかげで、凄く勇気がでたっちゃ」と言った。その時丁度あたるが帰って来た。それを見たラムは
ラム 「あ、ダーリンが帰って来たっちゃ」と玄関を見ながら言った。そう言うと再び不審者あたるに抱きつき

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