うる星やつら regain one's memory エピソード9 (Page 6)
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ラム 「ありがとうだっちゃ。ウチ、ダーリンに本当の事を聞いてみるっちゃ」と言うと、窓からあたるの部屋に入った。不審者あたるは、ラムに抱きつかれた事が心地よくて少しの間そこを動く事が出来なかった。不審者あたるはふっと我に帰り再び木の枝を伝わって、あたるとラムの様子を見た。すると、部屋のドアが開きあたるが部屋に入ってきた。ラムは
ラム 「ダーリン、おかえりだっちゃ・・」と言った。ラムの不安感は外で見ている不審者あたるにも伝わるほどだった。ラムの言葉にあたるは
あたる 「あ、ただいま。ラム」と言った。ラムはあたるの目を見つめながら
ラム 「ウチ・・ダーリンに聞きたい事があるっちゃ」と言った。するとあたるは
あたる 「ん?何だ?実は俺もお前に言わなきゃならん事が有るんたが」と言った。それを聞いたラムは
ラム (え?まさか、今日の結婚式場の事?)と思い更に不安が増したが
ラム (でも、さっきのもう一人のダーリンの言った事を信じるっちゃ)と思い
ラム 「あ、じゃあダーリンから言って?」と言った。あたるは
あたる 「そうか?分かった」と言うと、話し始めた
あたる 「ラム、実は今までお前に隠していた事が有るんだ」と言った。ラムは
ラム 「え?何だっちゃ?」と言った。平静を装おっているがラムの心臓は、はち切れんばかりだった。あたるは続けた
あたる 「今まで、夜に出掛けてたのも、お前に素っ気ない態度をしていたのも、全部これの為だ」あたるはそう言うと結婚式場のパンフレットをラムに渡した。ラムはそれを受けとると、不安いっぱいの顔であたるを見た。ラムは、不審者あたると話して、あたるは裏切っていないと信じたが、それでもしのぶと結婚式場に入って行く姿を思い出すと、別れを告げられるのではと思い、それが怖かった。ラムは
ラム 「結婚式場のパンフレット・・・これが何だっちゃ?」と精一杯の言葉を返した。するとあたるは突然
あたる 「結婚しないか?俺達」と言った。ラムは、予想外のあたるの言葉にただ驚き動揺した。あたるは更に
あたる 「式場の手配、日程、段取りも全部終わってるから今更断っても無駄だからな。ちなみに、日取りはお前が前に言ってたJune brideの6月だ」と言った。それを聞いたラムは
ラム 「え?だってダーリン今日しのぶと結婚式場に」と言った。するとあたるは
あたる 「え?見てたのか?お前のドレスがなかなか決まらなくてさぁ、お前を驚かそうと思ってたからお前に聞く訳にもいかないだろう?だから、しのぶに見てもらったんだよ」と言った。それを聞いたラムは
ラム 「ダーーーリーーン」と言うと、あたるに抱きついた。あたるはラムを受け止めると
あたる 「で、どうなんだ?」とラムに聞いた。するとラムは
ラム 「ありがとうダーリン。よろしくお願いしますっちゃ」と言った。大きな目からは、涙が溢れている。それは今までの悲しみの涙ではなく、喜びの涙だった。その時、あたるが
あたる 「で、お前が俺に聞きたい事って?」と言うと、ラムは
ラム 「ううん、もういいっちゃ」と言って窓の外に目向けた。そこには木の枝の上でラムを見つめる不審者あたるの姿が有った。不審者あたるは、そんなラムの姿を見て
不審者あたる 「俺とラムが結婚か・・・こんな未来もいいかもな」と言った。その時、あたるの体は徐々に消えていき、完全に消失した。それを見ていたラムは
ラム (ありがとう、もう一人のダーリン。ダーリンがウチに話しかけてくれなかったら、ウチきっと星に帰ってたっちゃ。ダーリンは、ウチの事を幸せにする為に来てくれたんだっちゃね)と思い、あたるを強く抱き締めた。

 不審者あたるは、気がつくと管理局のロッカールームに居た。するといきなり後ろから「あたるさーん!やりましたね!」と声がして振り向くと、因幡が涙を流しながらあたるの手を握ってきた。不審者あたるは
不審者あたる 「おい、この服はもう脱いでいいのか?」と言った。すると因幡は
因幡 「あ、どうぞ!どうぞ!」と言った。あたるは、不審者の服を脱ぐと近くのロッカーに叩き込み
あたる 「ったく、もっとマシな服は無かったのか」と言った。そして
あたる 「で、試練はクリアだよな?」と言った。すると因幡は
因幡 「ええ!最高の未来になりましたよ♪」と言った。あたるは気になっていた事を聞いた
あたる 「これで、ラムが命を落とす様な未来は無くなったんだよな?」と言った。それを聞いて因幡は
因幡 「はい!」と笑顔で答えた。するとあたるは
あたる 「なら、俺は次の試練に行かねば」と言った。すると因幡は
因幡 「あ、そうですね。このロッカーから戻れますよ」と言うと、一つのロッカーを開いた。するとそのロッカーの中はまるで異世界のようだった。あたるは
あたる 「じゃあな因幡、助かったよ。またな」と言うと、ロッカーの中に飛び込んだ。

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