Welcome To Another World(Chapter 18&19) (Page 5)
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一方こちらはヤケ酒だった。メガネ、パーマ、チビ、カクガリの4人は自分たちの年も忘れ飲みまくった。
ラムをあたるに「奪われた」だけでなく、ラムが地球を去ってしまうのだ。悔しさと悲しさでいっぱいだった。
「こらァーーーッ!!キサマらぁーーー!!未成年のくせに酒なんか飲みおってーーーっ!!」
そこに温泉マークが現れた。しかし4人が彼の言うことを聞くはずもなかった。
「ぬあにい・・・!!ランちゃんたちがワインを飲んでいるのはお咎めなしで、オレたちには説教だとォ・・・!?」
まず最初に温泉にからんだのはメガネだった。
「ケッ・・・なーにがめでたい結婚式でぇ・・・!こちとら飲まなきゃやってらんねーよ!!」
パーマはすでにかなり悪酔いしていた。
「ぐだぐだ言ってねえで、ほら、お前も飲めえーーー!!」
温泉を羽交い絞めにしていたカクガリがそう叫ぶと、チビが一升瓶を温泉の口にぶち込んだ。
「ム・・・ボガ・・・!!」
「一気・・・一気・・・!!」
4人からの一気コールで、温泉は自らの意思とは関係なく、飲み続けた。
「プハァーーー。・・・ヒック・・・ちっくしょうーてやんでぇー!教師なんか辞めてやるーーーー!!」
飲み終わった後、温泉はそう叫んだ。
一方テン、レイ、チェリー、サクラの4人は食いまくっていた。
「おい、サクラー・・・みっともないからやめろよー!」
つばめに止められても、サクラは聞く耳を持たず食い続けた。
「何すんねん!これはワイのもんやでー!」
「甘いぞ、テン!こーゆー場合は早い者勝ちじゃ!わっはっは!」
「こらー!!オジ上ー!!さっきから同じものばかり食いおって!これでは私の分がないではないか!!」
「ブギィーーーー!!」
その4人のいるテーブルは、まさに戦場だった。そんな折だった。
突然、4人は1枚の皿を凝視したまま動かなくなった。その皿には1番人気のミートローフが1きれ載っていた。
最後の1つというものを避ける傾向が日本人にはある。彼らも例外ではなかった。
しかし、そんな風に4人がお見合いを続けているところに、突然コタツ猫が現れた。
そして、ミートローフを悠然と自分の皿に取った後、何事もなかったかのようにその場を立ち去った。
「あ・・・ははは・・・あいつにはかなわんなー」
沈黙がしばらく続いた後、テンはそう呟いた。
「すごい盛り上がりですわねー、しのぶ様。私はこのようなにぎやかなスタイルの催しはとても好きですわ」
「そう・・・でも私はこういう式なんだから、厳かなほうが好きだわ。ところで了子さん。お兄さんは・・・?」
「兄は・・・」
「そう・・・やっぱり来られないのね・・・なかなか素直に受け入れられるものじゃないものね・・・」
しのぶと了子は2人でジュースで乾杯をしていた。
「しのぶさーん!それに了子さんも!お料理ちょっとだけ持ってきましたよー。
いやー、皆さんものすごいスピードで食べるから、こんだけしか持って来れなかったんですがね」
そこに因幡が訳もなく明るい表情で2人の前に現れた。
「ありがとう・・・因幡さん」
「頂きますわ」
しのぶと了子はフォークで皿に載った料理を口に運んだ。
「皆さん。ただいまより新郎、新婦が出て参ります。どうか盛大な拍手でお出迎え下さい」
今日の式の司会進行を買って出た校長がそう言うと、あたるとラムが腕を組んでドアの向こうから出てきた。
ライスシャワーの雨が降り、新郎と新婦とその両親の座席のところまで続いている花道をを歩く途中、
ラムは拍手と歓喜の声を上げる周りに絶えず笑顔を振りまいたが、あたるは照れくさいのか、終始顔を下げたままだった。
「ウチらは今日で正式に夫婦になったっちゃよ。なに恥ずかしがってるっちゃ、ダーリン!」
「アホ。ベタベタくっつくな」
ラムが微笑みながらそう言っても、あたるは決して顔を上げることはなかった。そして2人は所定の位置に着いた。
「今日の披露宴は、新郎の諸星君一家の送別会も兼ねております。2人を祝福すると同時に、
一家が地球で過ごす最後の日がすばらしいものとなるように、皆さん、がんばりましょう!」
校長の話が終わると、今度は新婦ラムの両親へのお礼の言葉になった。
そのスピーチの途中、感極まったのか、ラムはやはり泣いてしまった。しかし何とか最後まで終わらせた。
「ウフッ・・・おばさんの言うとおりになったっちゃ」
その次はあたるのスピーチだった。こちらは相当緊張したようで、噛んだりどもったりを繰り返した。
「ヘイヘーイ!あたるー、しっかりしろー!」
パーマにこう言われても、あたるは最後までガチガチのままだった。
その次は友人代表ということで、弁天のスピーチになった。
しかし弁天はアンチョコを持ってスピーチしたにもかかわらず、読み間違えたり、同じところを読んだり、
挙句の果てには泥酔したランが乱入したりと、大騒ぎとなった。
そして、しのぶ、ラン、それにサクラといった結婚願望丸出しの女性陣お待ちかねのブーケトスの時間がやってきた。
「しのぶさーん!がんばってくださーい!」
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